2011年4月アーカイブ

夏の計画停電に向けて備えておきたいもの

東京電力圏内の方、夏の計画停電の準備をしていますか?

計画停電はもう終わったわけではありません。
今は過ごしやすい季節になって、暖房の需要が減ってきたので、
電力消費が少なくなっているだけです。
夏は今以上に計画停電が必要になってきます。

夏の計画停電の準備は、その時になって始めたのでは間に合わない可能性があります。
既に今、節電グッズは品切れ状態が続出していますので、
必要と思ったら今からでも予約しておいた方が良いでしょう。

節電の誤解 サマータイムは本当に必要か?


六本木駅とミッドタウンを結ぶ通路の動く歩道が節電で停止中 / yto

今、日本中に節電・自粛ムードが広がっています。
しかし、単に節電、自粛すればよいというものではありません。
きちんとその意味や影響を考えなければ、無駄な努力になってしまいます。

節電に関して知っておきたいことはこの二つです。

  • 今使っている電気は今作ったもの(電気は貯めることができない)
  • 1日中節電よりも、ピーク時の使用を抑えること

この二つがちゃんと解っていないと、貢献しているつもりで間違った節電対策、
または恐ろしいことに、逆に電力網に負担をかけて、大停電を起こす引き金にもなりかねません。

計画停電対策に、非常用電源「予備電くん」


一人一秒の手助け / suneko

東京電力が本日4月6日、計画停電の実施を原則4月で打ち切る方針を固めたそうです。

これは、暖房のための電力需要が減っているからなのですが、急激な気温の低下や上昇などで電力需要が増えると見込めば、その時に限っては停電地域、時間帯を予告、実施するということですので、まだまだ油断はできません。

当然ながら、使っていない電化製品のコンセントを抜いたりなど、基本的な節電も行なっておいた方が良いでしょう。

それをしておけば6月までは大丈夫だと思いますが、問題は7月以降。
前回、前々回の記事にも書いていますが、夏と冬の冷暖房が必要な時期は電力需要が跳ね上がります。

前々回の記事:2011年夏、冬の電力需要は要注意
前回の記事:夏の計画停電を回避する、化学工学会の3つの提言

特に7月は、節電したとしても1000万キロワット足りないことが見込まれているんですね。

その際、対策として重要になってくるのが、ピークカットです。

ピークカットというのは、電力需要が一番多くなるピークの時間帯に、
揚水発電や火力発電などで電力供給を増やしたり、
電気の使用者が使う時間をずらしたりして、なんとか負荷を緩和させることです。

電力はほとんど貯めておくことができないので、
一日中節電することよりも、こちらの方がもっと大切なんですね。
なぜかというと、需要が供給を一瞬でも上回ると不測の大停電を引き起こしてしまうからです。
計画停電で実施されている、地域ごとの停電では済みません。

しかし、ピークでない時間帯は電力は、暖房の需要が少なくなった今は間に合っており、特に夜中は余っています。

夏の計画停電を回避する、化学工学会の3つの提言

今、日本の電力の供給と消費のあり方について、
考えなければいけない時期にきています。

ここ最近は計画停電の回避が続いていますが、
これは、電力供給が回復したり、節電効果が出ているからだけではありません。
季節が春に近づき、段々と暖房の需要が減ってきているんですね。

しかし、前回の記事で紹介したように、
夏場は今以上の大きな電力需要がありますので、
このままだと冷房が必要な暑い時期に計画停電をしなければなりません。

前回記事:2011年夏、冬の電力需要は要注意

夏場は節電したとしても5500万キロワットの電力需要があるとされているのですが、
それに対して供給できる量は4500万キロワット。
今のように、節電すればなんとかしのげるレベルではありませんね。
今以上の節電と、それ以外の対策もしなければ、
計画だけでなく、停電が毎日のように実行されるでしょう。

しかし、エネルギーの研究者や技術者などの専門家8000人ほどでつくる学術団体である、「化学工学会」が、これを行えば夏の計画停電が避けられると、緊急提言をしています。

参考:大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言

この計画は、できるだけ早くから行わなければなりません。

国の政策で行うことや、企業レベルで行うこと、
そして私達個人で行うレベルまで、様々な形で提言されています。

このページの先頭へ