日本人の健康を取り戻す、若杉おばあちゃんの料理教室
2011年10月 2日
京都の綾部で行われている、若杉おばあちゃんの野草料理教室に行ってきました。
若杉おばあちゃんは、日本で古くから伝わる食養の教えを伝えていて、
カロリー栄養学に基づいた日本人の食のあり方に警鐘をならしている方です。
今の日本人の食事は、水耕栽培で作られた野菜や、加工食品、輸入食品などばかりになって、
そんな間違った食生活が病気やアレルギー、体調不良などを起こしており、
それを治すには、食べ物を変え、血とからだを作り変えていくことが大切だと説いています。
(書籍もありますので、後で紹介します)
おばあちゃんは2011年現在で74歳。
最近はこれくらいの年齢で元気な人も増えたので驚きはありませんが、凄いのは、
補聴器いらず、眼鏡いらず(新聞も読める)、おまけにスクワットも70回くらいはできるということです。
実際にお会いしてお話ししてみると、確かに元気で、頭の回転が早い!
質問すると、なぜこれが良くて、なぜこれは良くないのか、古いものに縛られるような単なる感情論ではなく、きちんとした理由や事例に基づいて説明してくれます。
動きもまるで40代くらいのようにテキパキとしていました。
そして、記憶力もバッチリ!
今回の野草料理教室に行く1ヶ月ほど前に、滋賀県で2日間行われた、
「若杉おばあちゃんの心と体が元気になるお話会」にも参加したのですが、
その時に100人以上の人がいたにもかかわらず、僕を覚えてくれていたんですね^^
おばあちゃんの料理教室は毎回予約が必要なほどいっぱいらしく、今回は68名も参加。
お話会でも、今回の料理教室でも、おばあちゃんの周りにに質問したい方がたくさん集まるほど、人気のおばあちゃんです^^
九州や関東から参加する人も珍しくないんですね。
食養の基本は陰陽にあり
若杉おばあちゃんの料理教室は、単にレシピを一品習って、
「美味しかった~」と満足すればよい料理教室ではありません。
体のことを考えて食材を選ぶ眼を養い、それを使った料理の作り方を学ぶ場なんです。
なので、材料の紹介や作り方は習えますが、分量は全てが目分量。
レシピには「大さじ○杯」というのは存在しません。
それは、カロリー栄養学での考え方なんですね^^
おばあちゃんの考え方の根本には、日本で古くから伝わっている「陰陽論」があります。
民間療法や漢方にも通じる考え方です。
昔の人は、この陰陽論を当たり前のように知っていて、生活の智恵として使っていたのですが、
国が近代化するにつれて、世代間で継承されることがなくなってきてしまったんですね。
陰陽論というのは、宇宙の万物は全て「陰」と「陽」から出来ており、
陰性のエネルギーと陽性のエネルギーの、互いに対立する両方が入り混じって、この世が成り立っているという考え方。
例えば光と闇、男と女、剛と柔など、正反対だけど互いが存在することで成り立つもので、
陽性が良くて、陰性が悪いというものではありません。
バランスの取れた状態である中庸を保つことが大切なわけです。
1日の中にも陰性陽性があり、朝は光があって陽性、夜は闇で陰性、
同じ人間の中にもあって、息を吸うのが陽性、吐くのが陰性、というように、
細かい面でもたくさんの陰陽があり、ある規則によって陰性なのか陽性なのかが決まります。
そして、状態によっても陰陽は変わってきます。
病気をするというのは、体のバランスが崩れているということで、
陰陽のバランスもどちらかに傾いているから起こるわけです。
例えば現代人特有の病気や病気ではないけど病気っぽい兆候の、
アレルギーや冷え性、生理痛、便秘、貧血、子供が産めない、なんとなく調子が悪い、
といったことは、陰性に傾いているので、まずは陽性側に戻していく、ということが必要です。
だからと言って、極陽性の肉を食べると、今度は陽性が強くなりすぎて、
バランスを取ろうと極陰性のアイスクリームや砂糖たっぷりのお菓子を食べたくなって、
バランスを崩してしまいます。
平均台で移動するのと同じで、適度にバランスを保つ必要があるので、
自分は陰性だから、陽性のものを食べれば良いというものでもありません。
なので、陰陽は考え方は簡単ですが、活用するには結構奥深いものですので、
まずは陰陽論を勉強することが食養への第一歩、というわけですね。
今回は、マコモ茸の収穫の季節ということもあって、マコモづくしの料理でした。
普通、健康のためを考えて作る料理というのは、「我慢して食べるようなもの」というイメージがあるのかもしれませんが、おばあちゃんの料理は美味しいんです^^
まこも茸は、なかなかスーパーで売っているものでもなく、
育てるにも水田のような水をはった場所が必要で、手に入れるにはなかなかハードルが高いのですが、
僕が利用している有機野菜の宅配サービス、らでぃっしゅぼーやで秋頃なら売っているようなので、そこで買うことにしています^^
野草の種類と効能を覚えて使い分ける
一般的に草と野菜は区別されますよね。
でも、おばあちゃんは野草も料理に使います。
おばあちゃんはなぜこんなに元気なのか?
それは、野草の生命力を頂いているからなんだそうです。
実は野草は、今スーパーで売られている野菜よりパワーがあるんです!
今の野菜は、F1種(ハイブリッド種)と言って、大量生産しやすく改良されている種から作られているのがほとんどです。
問題は、F1種は1代勾配、つまり1代限りで終わってしまうものだということ。
つまり、そこから種を採って育てることができないんですね。
そのため、次世代へ命を次ぐ必要がないので、生命力が宿ってないんです。
大きく育つものの、内容はスカスカなんです。
日本のメーカーで販売されている種や苗は、自然からそのまま採れた在来種ではなく、
そのようなF1種が大部分を占めるようになってしまっていて、
今や日本人はF1種の野菜ばかり食べるようになっています。
そういう事実はあまり一般的には知られていないことですよね^^;
(それを危惧して、在来種を保護しようとする農家さんや種屋さんもいます)
しかし、野草は品種改良されたものではなく、勝手に生えてくるもの。
在来種で次の世代を残そうとしますので、生命力が強いんですね^^
抜いても抜いても生えてくる力強さがあるのはその証拠でしょう。
野草を食べるということは、その生命力を頂くということ。
昔の人は、そんな野草の効能を利用して、食事で食べたり、薬にしたりしていたのです。
現代の日本人は、そんな先人の教えを受け継がないまま、野草を邪魔者扱いするようになり、
近代化の波に飲み込まれてしまったんですね^^;
スーパーで売られている野菜に生命力がない以上、
野草を食べて血や体を変えていく知識もつけなければならないでしょう。
おばあちゃんのように、きちんと教えられるお年寄りは少なくなっていますから、
若い人たちはどんどん学ぶべきですね。
ただし、野草には毒草もありますし、しかも食用にできる草と似ているものもありますので、
その辺も勉強しなければなりませんね^^;
手作りの良い調味料を使う
おばあちゃんの料理教室では、良い調味料が使われています。
おばあちゃんも良く、
「良い調味料を使いなさい」
と言うのですが、「良い」というのは、値段が高ければ良いということではなく、
自然に近い状態で手間暇かけて作ったもの、ということです。
工場で大量生産されたものや保存を効くように作られたものは、
人工的な物質でコントロールされているのでダメなんですね。
これは調味料に限らず、食材に関しても、調理法に関しても同じことが言えます。
冷凍食品や添加物を用いた加工品、インスタント、清涼飲料水、ハウス・水耕栽培で作られたもの、
養殖、無性卵、農薬を用いて作られたもの、F1種の農作物、圧力鍋で調理したものなど、不自然なものは避けなければならないのです。
それによって、体のバランスが崩れてしまうわけですね。
安いからといって、安易に大量生産で作られたものに手を出してしまうと、
将来健康を害する可能性が高まります。
どういう材料を使って、どういう作り方で作ったのか、買う前に知って選ぶようにしないといけないわけです。
そう言われると、今日本で売られているものはほとんど人工的に作られているものばかり。
それではスーパーに行ったら買えるものがありませんよね^^;
おばあちゃんにそのように言う人もいるそうですが、おばあちゃんが言うには、
「そうなんです。買えるものはないんです!」
ということでした^^;
つまり、それだけ日本の食は汚染されているわけです><
本当に良い食事をするにはどうしたらよいか?
それは、自分で野菜を作るか、手作り製法で昔ながらのやり方にこだわって作っている方から購入するしかないでしょう。
塩や醤油など、自分で作るのが難しいものは、良い作り手さんを見つけて購入した方が良いですね。
味噌も、買うなら3年以上熟成させたものが良いとのことでした。
野菜は、できるなら自分で作った方が良いです。
都会に住んでいると、このように考えるのは難しいかもしれませんが、
それだけ考え方を変えないといけない時代になってきているんだと思います。
そして、都会でも全く無理というわけではなく、野草は手に入りますし、
レンタル農園もありますので、やらないよりはやった方がよいですね。
あとは本気で実践する気があるかどうか、気持ち次第でしょう^^
僕は今、都会的な生活を止めて田舎に引っ越して、有機農法で野菜を育てていますが、
将来的にはもっと広い土地で、自然農法で育てたいと思っています。
おばあちゃん関連の出版物
おばあちゃんの教えは、ブログだけでは紹介しきれません。
「○○を食べればよい」というものではなく、きちんと理解して、
体の状態にあわせて使いこなさなければならないんですね。
それが、昔の人の智恵なのです。
食の大切さを実感している方は、ぜひおばあちゃんの本を読んで勉強してみると良いでしょう。
どの本も会話調ですごく読みやすい本になっています。
おばあちゃんの考え方は、この「野草の力をいただいて」に詰まっています。
最初に読むと良いと思います。
おばあちゃんがどういう生活をしているのか、なぜ食養が必要なのか、
そしておばあちゃんの知恵袋やレシピなどが載っています。
「若杉友子の野草料理教室」は、若杉おばあちゃんの事を知った都会の人達が、
おばあちゃんから色々習いたいと、家にまで押しかけてきて困ったので出したという本です^^;
レシピはもちろん、基本的な野草の紹介や、野草のアクの抜き方、雑穀の炊き方、
など、野草の扱い方にもう少し突っ込んで書かれた本です。
ただしこの本は、おばあちゃんの教えを伝える本を作ろうという、有志の方が自社出版で作った本だそうで、普通の本屋には売っていないんです。
手に入れるには、おばあちゃんの料理教室や講演会に行くか、NPO法人のメダカのがっこうのショッピングサイトで購入することができます。
「体温をあげる料理教室」は、陰陽の考え方が解り易く書かれた本です。
僕はこの本を読んで、陰陽の食への使い方がより深く考えられるようになってきました。
到知出版という、有名な出版社から出ていて、おばあちゃんはこの本を出したのを機に
新聞社や雑誌から引っ張りだこになっているようです^^;
どの本も読みやすい本ですので、チェックしてみて下さい^^
カロリー栄養学では、健康づくりのため、1日30品目は食べましょうと教えられます。
しかし、その教えに従った人でも、上に挙げたような現代病を抱える人がたくさんいます。
しかし、そもそも昔はそんなに食べていないにもかかわらず、元気な人が多かったんだそうです。
日本人の食習慣が変わった結果、体が弱くなってしまったんですね^^;
本来は、1食でご飯、味噌汁、塩や醤油で調理した惣菜一品で十分なんです。
昔は食料不足をなくすために大量生産の技術が開発されたのだと思いますが、
足りてくるといつの間にか美味しい物を求めるようになり、贅沢品が生まれ、
さらに大量生産が加速して、悪い物の食べすぎに傾いていったんだと思います。
でも、これからはそんな暮らしを元に戻さないといけないでしょうね。
おばあちゃんの暮らしはまさに究極のエコ。
エコというのは、環境を守るために・・・という慈善的なものではなく、
自分のためにやることなのかもしれません。
追記:新刊が出ました。
初めてメールをします。平成23年の7月に甲状腺の乳頭がんで左右の甲状腺と副甲状腺をすべて摘出しました。今現在再発とてんいはありません。病気はそれだけでなくいろいろあります。両手首の手根管症候群、子宮筋腫、肝臓ののうほう、卵巣ののうほう、
腹水 正常範囲ですが萎縮性胃炎(胃相はよい)といわれました
大腸ポリープ 腰痛 肌荒れ 吹き出物 シミです。
どんな手当をしたらいいでしょうか?自然の野草も近くにはありません。
途方にくれます。中学3年生と小学3年生の女の子の子供が二人おりまだまだ学費がかかるのでこれからも働きたいのです。どうしたらいいでしょうか?
教えてください。
及川さん コメントありがとうございます。
大変な状況ですね。
しかし残念ながら僕は病気に関することは心得ておりません。
力になれず、申し訳ありません。