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"シャットダウン" と "スリープ" どっちが省エネか?
2011年5月11日
政府が浜岡原発の全面停止を決定しました。
今まで中部電力は関東に電力融通を行ってきましたが、
これで関東に送るほどの余力はなくなります。
今後は関西電力、中国電力、四国電力からの融通となるでしょう。
融通できる電力は限られていますが、電力不足ドミノが起こるとも言われていますので、中部地方や関西地方などでも節電対策を考える必要はあるかもしれませんね。
というわけで今回は、パソコンの節電について。
マイクロソフトは、東京電力管内にある 2200万台余りのパソコンすべてPCの設定を見直した場合、最大35万kW節電になるという試算を出しました(1台当たり30%の節電)。
これは、10万世帯の一日の使用電力にあたります。
パソコンを使う環境は人それぞれですが、
例えばオフィスで使用していると、会議などでしばらく席から離れる場合があります。
お昼休みでパソコンを使わない時もあります。
こんな時、省エネ対策として、
- パソコンの電源を落とす(シャットダウン)
- 一時的にパソコンの動作を停止する(スリープ)
という選択肢があります。
どちらが節電に繋がると思いますか?
5月10日放送のWBSでその特集があったので、その内容とさらに調べたことをシェアします。
シャットダウンとスリープの使い分けは、時間がカギ
シャットダウンした方がよいのか、スリープにした方がよいのか、
それはパソコンを離れる時間によります。
環境にもよりますが、例えば依然として世界で最も使われているWindowsXPの場合、1時間45分が分かれ目で、それ以上離れる場合は
シャットダウンした方がよく、それ以内ならスリープ(XPの場合はスタンバイ)にした方が省電力になるそうです。
(マイクロソフト調べ)
この時間は、OSの種類、デスクトップなのかノートPCなのか、そしてパソコンの古さによっても変わってきます。
その他主なOSの、シャットダウンが有効になる目安はこのようになっています。
【デスクトップPC】
- Windows7 搭載・・・・・・・・約1時間40分
- Windows Vista 搭載・・・・約1時間20分
- Windows XP 搭載・・・・・・約1時間45分
【ノートPC】
- Windows7 搭載・・・・・・・約1時間50分
- Windows Vista 搭載・・・約1時間30分
- WIndows XP 搭載・・・・・約40分
WindowXPは、ノートなのかデスクトップなのかで1時間も差がありますね。
パソコンは、OS起動時と終了時に多く電力を使います。
そして電源を切った状態からの起動は、スリープから戻るのと比べて3倍以上の電力を消費しますので、それを考慮した分岐点が上の時間になるわけです。
PCの古さにも影響する
PCのハードの性能は年々上がっていますが、
こちらももちろん、新しい方が省電力設計になっています。
2010年モデルの消費電力は、対2006年モデル比で約半分の消費電力になっています。
このように、最新モデルの方が省電力になるという傾向は、家電全般に言えることですね。
あまりに古いパソコンを使っていて、買い替え時だなあと思われるのなら、
早めに買い替えた方が良さそうです。
ディスプレイの輝度を設定する
ディスプレイの輝度を見直すのは、パソコンの省エネを考える上で最も効果的です。
ディスプレイの輝度を100%から40%に下げると、PC全体で23%の節電効果があります。
40%でも十分見れるのですが、どうしても見やすさが気になる場合は、
それが犠牲にならない程度まで落としても良いでしょう。
ディスプレイの調節する方法は、OSから設定する方法と、ディスプレイのボタンを直接操作して設定する方法の2つがあります。
OSで設定するにはコントロールパネルからの設定になりますが、
この方法は画質を犠牲にする設定方法だとも言われていますので、
ハードの方から調整する方が良いかもしれませんね。
また、一定時間使っていない場合(アイドル状態)にディスプレイの電源をオフにする設定もあります。
輝度の設定と合わせて使うとよいでしょう。
パソコン本体ははアプリケーションの使い方によって使う電力量も変わってきますが、
ディスプレイは電源がついている間、常に電力を使い続けます。
例え瞬間的に見た時に使う電力が少なくても、長時間使うものは塵も積もれば山となるので、全体的に結構な電力を使っているので、そこで節電すると大きな効果が得られるわけですね。
スクリーンセーバーの使用と、スリープモードは違う
パソコンをしばらく放置しておくと、スクリーンセーバーが立ち上がるような設定がされている場合があります。
これは一見、省電力モードになっているように見えますが、そうではありません。
本来、スクリーンセーバーの目的は、画面の焼きつき防止であって、節電ではありません。
ハードディスクは動いているんです。
そしてスクリーンセーバーによっても使う電力は違います。
3Dなど、より動きが複雑なものほど電力を消費しているんですね。
というわけで、節電対策ということなら、スクリーンセーバーではなく、
スリープ(スタンバイ)のを行うようにしましょう。
ブラウザによっても使用電力は変わってくる
パソコンは、ソフトを立ち上げるとCPUがそれを処理するために動きますので、
使う電力はソフトの設計でも変わってきます。
どのソフトがどれだけ電力を使っているかは測りにくいですが、
動作の重いものはCPUに負荷をかけているので、より電力を使っているのかもしれません。
(ハードの性能が限界の場合もあります)
アメリカのマイクロソフトが3月に、IE9(インターネットエクスプローラー9)と他のブラウザの消費電力を比較しています。
参考:「消費電力が最も少ないブラウザはIE9」、Microsoftが調査結果を公表
この記事によると、比較対象となったブラウザーは
IE9
Firefox 4
Chrome 10
Safari 5
Opera 11
の有名ブラウザの最新バージョン。
その中で消費電力の少ない順に並べると
上の左から順に少ないという結果になったそうです。
大きく変わるわけではありませんが、IE9が一番消費電力が少なく、
IE9とFirefox4は僅差で、少し離れて他が続いているようですね。
IEユーザーの中にはは未だにIE6を使っている方がいますが、
マイクロソフト自体が節電検証の対象外にしています。
サポートも終了して、セキュリティ面でも問題があるので、
できるなら早めにバージョンアップした方が良いですね^^;
FirefoxはFirefox3.Xやそれ以前のものを使っている方は、
重いブラウザというイメージがあると思います。
プラグインを入れて使う方は、入れるほど動作が重くなりますからね。
しかしFirefox4になってから、動作の軽快さが劇的に改善されています。
Firefoxユーザーは今すぐ4に変えることをお勧めしますね^^
節電対策ソフト
以上がPCの節電対策ですが、このような設定をするのは
PCに慣れた人でないと難しいかもしれません。
そこでマイクロソフトでは
WindowsPC自動節電プログラム「Fix it」というものを提供しています。
これは、節電モードに自動設定するというものです。
1分くらいで簡単にインストールすることができます。
対象となるOSは、
- Windows 7
- Windows Vista
- Windows XP
です。
以下のリンク先で配布されていますので、使ってみるとよいでしょう。
マイクロソフトでは、8月10日まで節電に関する、電話での無料サポート窓口を設けています。
また、NECでは、エネパルPCパックというソフトを開発したそうです。
これは、電力の使用状況とCO2排出量を自動把握するソフトです。
節電目標を設定できて、省エネ意識を高めることができますし、
利用者の行動パターンを学習して、自動的に電源制御までしてくれます。
価格は168万3,000円(1,000台で1年間)となっており、
個人向けの販売ではないところが残念ですけどね^^;
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