世界の水不足問題、日本に関係あるのか?

2012年8月22日

地球は"水の惑星"と言われていて、面積の7割が海となっています。
それだけ水が豊富なのに、国連の報告書によると、

2015年までに、世界の人口の半分にあたる35億人が
水不足になる恐れがある

と言われています。
実は、地球上にある水のうち、人類が利用可能な水は
たった0.01%しかないのです!

地球上の水の97.5%は海水で、淡水は2.5%、淡水の中でもその1.7%分は氷河に閉じ込められていて、地下奥深くの地下水に0.8%、利用できる河川や湖沼の水が0.01%となっています。
その0.01%の水を皆で使っているんです。

"0.01%の水"と言ってもピンと来ないかもしれませんが、わかりやすく例えると、風呂桶一杯に汲んだ水のうち、使える水はわずかに一滴しかないと思うと良いでしょう^^;

今まで水不足の地域はありましたが、1940年頃から現在までの急激な人口増加に比例して水の使用量も急増、その結果、水不足が危惧されているわけです。

日本では今、自国で水が大量に採水できますし、人口も減少していきます。
これから先も困るようには思えませんよね^^;

確かに、直接飲む水、使う水としては困らないかもしれませんが、日本は他の国の水も大量に使っていることも考えなければいけません。
日本も世界の水不足に関係しているんです!
そして、世界中で水不足になると、食糧が高騰してしまうので、対岸の火事では済みません。

バーチャルウォーターという考え方


日本が他の国の水を使っているということがどういうことなのか?
これを説明しているのが、バーチャルウォーター(仮想水)という考え方です。

バーチャルウォーターは、輸入される食糧を生産するのにどれだけの水が必要かを推定したものです。

例えば、200gのステーキ。

このステーキのお肉は、海外で牛を育てて日本に輸入され、加工されてステーキになるまでに大量の水を使っています。
計算すると、4トンにもなるんです!
500mlのペットボトルだと8,000本分ですね^^;

どういうところで水が使われているのか?というと、まずは"牛の飲み水"です。
牛は飲み水だけでは生きていけませんので、飼料となる穀物を育てるのにも水が必要です。
そして子牛を産む母牛も必要ですので、母牛の飼料を育てる水も必要です。

牛が生育するまで2年半かかりますが、その間に必要な水は6,540トンとされています(東京大学生産技術研究所調べ)。

牛一頭で約680kgとすると、食肉となるのはそのうち約45%。
それを元にして計算すると、200gで4トンの水を使っていることになるんです。

日本はオーストラリアやアメリカから大量に牛肉を輸入していますので、それらの国の水を間接的に使っていることになりますね^^;
仮にそれらの国が水不足になると食糧が高騰します。

日本は食料を輸入に頼っていますから、世界的に水不足になれば、日本でも食糧不足になることは間違いないでしょう。
自国の水が豊富だから・・・という問題ではありませんね^^;

日本は本当に水資源が豊富なのか?

しかし、ここでもう1つ根底を覆しそうな事実があります。
そもそも日本の水資源が豊富なのは本当でしょうか?

実は、国の1人当たりの水資源量は、世界の国と比べても日本は平均以下なんです!

各国の1人当たりの水資源量
(8月19日放送の池上彰の子供に伝えたい地球のチカラより)

そんなに多いわけではないんですね^^

日本は周りを海に囲まれている島国ですが、それらを水資源として直接的な飲食に使うことはできません。
そして、大陸のように長く広い運河もありません。
日本の地形は山が多く、傾斜が急で川が短いので、資源として利用されないまま海に流れ出てしまっています。

実際に使える水は意外と少ないんです。

では、なぜ困らずにいられるのか?
その理由は2つあります。

1つは、食糧を輸入に頼っているからです。

食糧を輸入に頼るということは、他の国の水資源を間接的に使っているということです。

日本は国の1人当たりの水資源量が世界の平均以下なのですが、水資源の消費量はアメリカに次いで第二位なんです。

他の国の犠牲のもと、水の大量消費を可能にしているというわけです^^;

そしてもう1つは、国土にある森林が豊富だからです。

森林には虫や小動物、微生物がいて、その働きで小さなすき間ができ、土が雨水を貯め込みます。
そして少しずつ下流に流れていきます。

もし森林がなかったら、固い土が多くなりますので、水は溜まらずに一気に流れていきます。
つまり、森林が保水力を持っているということですね^^

今のところはこのような森林のおかげでなんとか水不足は免れているのですが、最近はそれが失われつつあります。
その理由は、人工林の間伐不足

日本は戦後、普及のためにもすぐに生える木が必要になったことから、人間の手によって成長の早い杉やヒノキが植えられた林が各地で作られました。
いわゆる人工林です。

そのような人工林は、日本の森林全体のうち41%を占めています。
これらの木はどんどん伸びるので最初は良かったのですが、そのうち安い輸入木材が入ってくるようになると、日本国内で木を切ってもお金にならなくなりました。

その間にも人工林はどんどん伸び、木が生い茂ってくると、下の方には日が射さなくなってしまいます。
地面の草は枯れ、小動物や微生物がいなくなり、保水力がなくなってきます。

このような、保水力を失った森を緑の砂漠と呼ぶのですが、人工林は適度に間伐し、光を入れるようにしないと森が死んでしまうのです。

間伐材を使った商品もたまに流通していますので、同じ木材商品を選ぶなら、そっちの方を選ぶのが環境に良いですね^^

間伐材を使用した商品には、このようなマークが付けられていることがあります。

間伐材マーク
参考:環境ラベル等データベース

間伐材を使った全ての商品に貼られているとは限りませんが、参考にすると探しやすくなりますね^^

水不足対策に貢献するには?


杉の間伐材のうちわ / yto

これから起こるであろう水不足の対策、国や企業だけでなく、一人一人でも生活の中で出来ることがあります。
例えば上で紹介したような間伐材マークの商品を買うことも森林保全、水不足対策に繋がります。
お箸や子供のおもちゃなど、探せば色々な商品があると思います。

そして何より、国産品の食糧を消費することです。
経済的にはどうかわかりませんが、地産地消が何よりエコですね^^

加工食品は原材料を考えると難しいかもしれません。
肉類も、例えばニワトリや養殖魚などの飼料は海外から輸入したものが多いので、完璧に国産にするのは難しいかもしれませんが、それでも全く外国に頼ってしまうよりはマシですね。

難しく考えずに、できるだけ国産のものを多く使っているのを選んでも良いと思います。

一番良いのは、家庭菜園をして出来るだけ自分で作って自分で消費することだと思います。
手作りが一番ですね^^

手作りのものの作り方を知っているのなら周りの人達に教えてあげて、智恵を共有するのも貢献に繋がります。
個人でも出来ることはたくさんありますね^^


個人的には、東レの海水淡水化技術にも期待しています^^
世界の生活水準が上がると水の消費量も増えると思いますが、生活水準が上がるころには人口はピラミッド型ではなくなっているので、バランスがとれるんじゃないかな~?と漠然と考えています(≧▽≦)

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