木材の活用技術が大幅進化!これからは木造都市が増える
2013年4月19日
今、木材を使った大型建築物の建設が増えているそうです。
有名なのは、横浜の大型商業施設サウスウッド(2013年9月竣工予定)ですね。
2013年4月18日放送の「クローズアップ現代」で都市の木造化のことが放送されていました。
そもそも、日本は1950年の建築基準法で、高さ13メートル以上の木造建築物を造ることは禁止されていました。
それは、第二次大戦で多くの木造建築物が燃え、大火に見舞われたことから定められた法律でした。
それからコンクリートなどの建物に置き換わっていったんですね。
しかしそれが、2000年になって、耐火性能があれば建築可能という内容に改正されました。
さらに木材を耐火建築技術が大幅に向上したことから、2010年には公共建築物をできるかぎり木材化すると定めた法律が制定されました。
不燃木材に関しては、以前にも紹介しています。
⇒火災でも燃えず、煙もでない不燃木材とは?
この技術以外にも、特殊な加工で耐火性能を高める技術はいくつか登場していて、耐火性能だけでなく耐震性能も高めることができます。
「木」というと、鉄やコンクリートに比べ、「燃えやすい」「弱い」というイメージがありますが、もはや木材が鉄やコンクリートと対等に使える建材になってきたんです。
さらには、ばらつきがちの品質の見極めには、今まで大工の目効きで行うしかありませんでしたが、最近ではエンジニアードウッドO(集成材)という木材が登場たことで、木材の強度、耐火性、耐久性などの構造・耐震性能の科学的な計算ができるようになっているそうです。
そのような技術革新が急激に伸びていることから木造で建築することを国が推進しているんですね。
木造建築物が増えると、こんなメリットがあります。
林業再生、森林資源の復活
日本は、国土の3分の2は森林なのに、その自給率は27%。
(昭和30年頃は自給率が9割以上だった)
安い輸入木材で林業が廃れた結果、そうなっています。
戦後、国は木造の需要を見込んで人工林を植えましたが、結局は林業が廃れて、植えた木も放置状態になっているんですね。
森林は適度に間伐しないと育ちません。
2010年の夏の猛暑の時にナラ枯れが問題になりました。
木が枯れて赤く見える現象です。
適度に間伐して日光が入るようにしないと、周りの木も育ちません。
放っておくと森が死んでしまう可能性があるんです><
でも、今後は、国が木造建築物の整備を支援していくことで、林業の活躍の場が増えてきます。
林業が復活することで森に手が入りますね^^
CO2の削減
森が適度に間伐されることは、実はCO2の削減に繋がります。
木は二酸化炭素を吸収してくれるので、木を植えることに焦点が置かれがちですが、育ちすぎた木はあまり吸収しないのです。
日本の森林は人工林の方が多いですから、現状はあまりCO2削減に貢献していないということでしょう。
しかし間伐を入れて、代わりに新しい木を植えて行くことでCO2を削減し、資源の循環が生まれます。
また、建材として使うことで、二酸化炭素の蓄積に繋がります。
木は燃やしてしまうとCO2の排出となりますが、蓄積できれば排出にはならないということです。
建物の省エネルギー性
木材には、コンクリートと比べて断熱性能があります。
鍋の取っ手には木材が使われていますよね^^
それは、鉄やステンレスがすぐに熱くなるのに対し、木材は熱を遮断するからです。
建物の資材として使った場合、外と中をほぼ断絶できるので、外に熱を逃がしにくくすることができるんです。
つまり、夏は暑い外と比べて涼しく、冬は寒い外と比べて暖かくなります。
冷暖房を使った場合は、その効果が長続きしますね^^
なので結果として省エネな建物になります。
地域の活性化
林業が再生すると、地域も潤います。
建設に関わる資材の調達、製材、加工などを出来るだけ地元で行えば、地元が潤います。
さらに、不燃木材を廃材にする場合は、粉末にすることでリサイクルが可能とのことなので、そのままバイオマスエネルギーとして使えます。
これも地元で行えば、エネルギーの地産地消に繋がります。
林業が再生することは、持続可能性のある社会を構築するチャンスに繋がります。
容易にに壊せるという木の特性を活かして部分的に建て替え可能な建物や、柔らかくて削りやすい性質を活かして、斬新なデザインの建物も出てくるでしょう。
それだけでも人が集まりそうですね^^
現在は大型建築物の木造化が注目されていますが、今後は建物だけでなく、コンクリートを使った道路整備など、環境の整備にも使われていくでしょう。
今後はガードレールなども木造に代わるようですよ^^
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