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中国の大気汚染は今後も日本を襲う

2013年1月19日

日本は高度経済成長期に、大気汚染による公害が発生しました。
今でこそ聞かなくなりましたが、同じ歴史を歩もうとしている国があります。

中国です。

中国は経済発展が著しいですが、北京の街は今まさにそのような酷い大気汚染に見舞われている状態で、大気汚染の国際水準ギリギリの日がほとんどなのだそうです。

下は2006年の記事ですが、2005年の時点で中国では大気汚染によって年間40万人が命を落としているのだそうです。
参考:中国の大気汚染が日本を襲う?!|SAFETY JAPAN [インタビュー] / 日経BP社

今は2005年の頃とは比較にならないほど成長していますから、上の人数は増えているでしょうね。

そしてそれは他人事ではすまされない事態になってきました。
今もまさに、大気汚染の物質が日本に流れてきているんです。

過去最悪とされる大気汚染物質が西日本に?

1月17日、過去最悪とされる大気汚染物質が西日本に来るかもしれない、ということで注意が呼びかけられました。

"過去最悪"とは、どれくらい最悪なのか?
それは、北京にあるアメリカ大使館の屋上にある測定器で出た数字でわかります。

特に問題視されている大気汚染原因物質に「PM2.5」という物質があります。
測定器はそれを測っているのですが、これは直径が2.5μm以下の超微粒子で、スギ花粉よりもはるかに小さいものです。
世界保健機関(WHO)では一日の基準である濃度の指数を20以下としています。
そして、100を超えると敏感な人なら健康を害し、300に達すると危険水準とされています。
PM2.5は、超微粒子なので気管を通過しやすい物質で、肺胞などに付着してぜんそくや気管支炎を引き起こす可能性が高い物質なのです。

それが、北京の一部の場所では400を観測していたのですが、それが17日あたりで過去最高の755を観測していたんです!
測定器の針が振り切れたようですね^^;
北京では野外の活動の自粛を呼び掛けられていて、濃霧のように士会が悪く、前も見えない状態の映像がテレビで放送されていました。

このような事態は1回限りでは終わらないないでしょう。

濃霧は過ぎ去りましたが、大気汚染が酷い状態にあるのは変わらず、根本的な対策は施されていませんからね。

実際、東アジア域の黄砂や大気汚染物質の動きを予測した、九州大学応用力学研究所の天気予報システム(CFORS)によると、今でもなお大気が汚染され、日本も少なからず影響を受けていることがわかります。
下は、 CFORSによる予測で、3日後までの予測がアニメーション画面で示されます。

参考:東アジア域の黄砂・大気汚染物質分布予測 | 九州大学/国立環境研究所

そしてこちらは、地域ごとの汚染・黄砂の量を「多い」「少ない」などのわかりやすい指標であらわしています。

参考:SPRINTARSエアロゾル予測(簡易版)

おそらく、どの時間に見ても西日本を中心に硫酸塩エアロゾル(大気汚染物質)の濃度が高い状態に置かれ続けているのではないでしょうか?

「北京咳」という症状を起こす人が出始めている?

今、北京では呼吸器科の病院に通う方が増えているそうです。
特に子供達は多いようで、1日800人も来院した小児科院もあるそうです。

北京に一時的に滞在する必要のある外国人の間では、北京にいる時にだけ咳が出ることから「北京咳」と呼ばれています。
もちろん、そういう名前で正式に病気が認定されたわけではなく、揶揄された表現です。
北京から離れたら治るからそう呼ばれているんです。

こういう咳が出るのは、中国でも北京だけではありません。

大気汚染は北京だけではなく、多数の都市で起こしていて、それらの都市でもスモッグが激しく、咳の出る人が溢れているそうです。

このままいくと深刻な公害問題間違いなしでしょう。

中国の現在のエネルギー構造

中国はCO2の排出量が世界最大の国です。
人口が多い上に車が増え続けているのも理由の一つですが、もう1つの大きな理由が考えられます。
それは、石炭を主なエネルギー源にしているところです。

参考:中国のエネルギー事情はどうなってるの? | エネコチャンネル

2008年の時点で、石炭の占める割合は8割近く。
そして今でも石炭を中心とするエネルギー構造は変わりません。

今回急激な環境汚染で濃霧に覆われたのは、暖房で使う石炭燃料の使用量が増加したことが原因の一つとして挙げられています。

解決するには、このエネルギー構造を変えなければいけませんが、なかなか簡単に変えられないでしょうね^^;


再生可能エネルギーは、先進国ですらまだまだ割合が低い状態です。
中国では率先してクリーンエネルギー化を進めていくことはできないでしょうから、今のところはシェールガスの開発が有効かと思います。

中国には実はアメリカを凌ぐほどのシェールガスが眠っているとも言われていて、それを使えば石炭よりははるかにマシでしょうね。
ただ、開発技術が必要なので、その辺は外国から呼び込む必要がありそうです。

日本にも大気汚染の物質が流れてきているわけですが、その中に「PM2.5」が含まれているのかどうかはわかりません。
PM2.5は、市販のマスクをしても防げないほど小さな粒子。
早くどうにかしてもらいたいものですね。

春から夏にかけては大気の流れで日本の方向に風が向きやすい時期らしいです。
そのため、春先には中国から黄砂が飛んできます。
この黄砂にも、汚染粒子は含まれています。
この時期は特に気をつけなければなりませんが、どうしたものでしょうかね?^^;

これからは空気清浄機が重宝するかもしれません。

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