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完全養殖うなぎの商業化は難しい!うなぎは今どれくらい絶滅しそうなのか?
2013年7月20日
もうすぐ土用の丑の日。
ものすごい猛暑の今年は夏バテ防止のためにうなぎを食べてスタミナをつけたいところですが、肝心なうなぎが大変なことになっていますね^^;
これが結構深刻なんです。
環境省は今年2月にニホンウナギを「絶滅危惧 IB 類」に指定しました。
そして、7月の初めから国際自然保護連合(IUCN)が、ニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定するかどうかのの検討を始めています。
その結果は早ければ秋にも公表するそうです。
すぐに捕獲禁止に直結するような話ではないのですが、レッドカードを突きつけられてしまえば、この先なかなか食べられなくなります。
2013年3月にはワシントン条約で規制するかどうかの会議も行われたのですが、この時は見送られました。
が、レッドリスト入りすると、次に会議が行われる2016年春には規制されるかもしれません。
世界の7割のうなぎは日本人が消費している?
水産庁によると、うなぎの稚魚である天然のシラスウナギ、今季の漁獲量は5.2トンで過去最低となっております。
過去最高は1963年。
年間232トンもあったんです!
それがその時をピークに漁獲量はどんどん減っています。
今回はさらに急激に減ったそうです。
環境省が指定した「絶滅危惧 IB 類」は、分類の中でも絶滅の危険性が 2 番目に高い分類。
分類についてはこちら⇒J-IBIS 生物多様性情報システム | 絶滅危惧種情報
同様に絶滅危惧IB類に含まれる種をウィキペディアで調べてみると、有名な種だとゲンゴロウ類やライチョウと同等のようです。
⇒ウィキペディア | 絶滅危惧IB類
そして世界からは、日本人がうなぎを食べすぎていると見られているようです^^;
かつて、ヨーロッパウナギやアメリカウナギも日本向けに大量輸出されていて、どちらもニホンウナギよりも先に個体数が著しく減少し、今では取引が制限されています。
特にヨーロッパウナギはワシントン条約にも指定されました。
ニホンウナギの数はその二つの種よりマシだったのですが、取引が制限されたことからニホンウナギへの負担が集中し、今急激に減ることになったようです。
これだけ絶滅が危惧されていても、「土用の丑の日だから」と言っている人が多いですし、「うなぎを食べすぎている」というのもあながち大げさでもないのかもしれません。
止められないほど美味しいことを知っているのですからね^^;
大手スーパーチェーンも、こぞって値下げを打ち出しているのはおかしいと思うのですが、この流れは残念ながら止まらないでしょうね^^;
うなぎが著しく減少した三つの原因
テレビで、近畿大学の有路昌彦教授が出ていて話をしていたのですが、うなぎが著しく減少したのは三つの原因があるそうです。
それは、
- 河川の人工化
- 潮の流れの変化
- 乱獲
とのこと。
1つ目の「河川の人工化」は、昔のような自然な川ではなく、コンクリートで整備された川になってからとのこと。
うなぎにとっては遡上するのが難しいんですね。
上流に登ってもダムになっていたり、うなぎにとっては厳しい環境です。
そして2つ目、潮の流れですが、黒潮の流れの方向が変化し、そもそも日本に戻れないウナギも出てきているのだそうです。
そういう中で3つ目の乱獲です^^;
どこの国かは忘れましたが、日本向けのウナギを密漁しているケースもあるそうです。
実は完全養殖のめどは立っていない
ウナギの完全養殖に成功したというニュースも流れていますが、これで安心できる状態ではありません。
難しい養殖の成功例として近畿大学のクロマグロ(近大マグロ)がありますが、食卓に並べるには商業化レベルにまでもっていく必要があります。
単に養殖できるというだけでなく、低コスト化も出来ている必要があるわけです。
でも、ウナギに関しては商業化どころか完全養殖自体がまだまだ。
世界には19種類のウナギがいますが、その産卵の仕組みなど生態にはまだ多くの謎があるそうです。
生存率が悪く、エサも限られていて確実ではありません。
その研究のためにもたくさんの稚魚が必要ですが、その量自体が減っているのでクロマグロと比較してもハードルが高いのです。
さらに、クロマグロと徹底的に違うのは、マグロは1匹成功したらそれだけでも100kgレベルの肉がとれるということ。
ウナギは1匹が大きくなってもとれる肉はたかが知れています。
ある程度の量を満たすには、相当たくさんのシラスが必要です。
なので、完全養殖が上手く行ったとしても、商業ベースにまでレベルを上げるのもハードルが高いんです。
近畿大学の有路昌彦教授によると、
「10年以内に何とかと言っても、ラッキーが重ならないと難しい」
と言っていました。
このままだとうなぎは、5年後には市場にも出回らなくなるとも言われています。
今、ビカーラ種というインドネシア付近で見つかった新種のうなぎが注目を集めていますが、ここで手を出すとヨーロッパウナギやアメリカウナギの二の舞になるだけだと思います。
うなぎは美味しいので悩ましいですが、「土用の丑の日」だからと言って食べる風潮はあまり良くない気がしますね^^;
そもそも「土用の丑の日」は江戸時代の発明家、平賀源内がウナギ屋さんの業績不振の相談にのって、そこから始めたセールのようなものなのだとか。
なので絶対に食べないといけないものではないです^^;
うなぎの代替レシピも色々紹介されていますのでこういうのを挑戦してみても良いですね。
参考⇒続々登場! 「うなぎの蒲焼き風」食品 ナスや豆腐を使った"再現"レシピも
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