藻が日本の石油を賄う!オーランチオキトリウムとは?

2011年6月15日

ボトリオコッカス

近頃、藻から作るエネルギーが話題になっています。
オーランチオキトリウムというものです。
ラテン語読みなのですが、非常に覚えにくい名前ですね^^

なので、正式名称かどうかはわかりませんが最近、
オーランチキチキなんて呼ばれたりしています^^;

藻類の研究は、オイルショックのあった70年代頃から研究されていて、
油を作る藻類は既に複数存在していましたが、生産効率の低さから、
実用化には至りませんでした。

今まで最も油を作る能力の高かったのがボトリオコッカスという藻類です。
しかし、2010年に筑波大の渡邉信教授の研究チームによって沖縄の海でオーランチキチキが発見されました。

なんと、油の生産能力がボトリオコッカスよりも10倍以上あるんです!

オーランチキチキは、「たかじんのそこまで言って委員会」に出ている勝谷さんが最初に、
世の中にこういうものがあると広めてくれたようですが、
6月12日の放送で、発見者の一人である、筑波大研究チームの彼谷邦光先生がゲストで来て、
オーランチキチキについて直々に説明していました!

その内容を紹介します。

オーランチオキトリウムとは?

オーランチキチキ

オーランチキチキは昆布やわかめの仲間で、小さな細胞集団を作る微生物です。

長さは直径5〜15マイクロメートルで無色透明、光合成はしません。

一方、従来から発見されていたボトリオコッカスは、光合成することによって重油を精製するので、光と水と二酸化炭素が必要ですが、
オーランチキチキは、光合成が必要ありません。

その代わりにエサとなる有機物が必要です。

有機物を食べることで増殖し、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、
細胞内に貯め込む性質があります。

オーランチオキトリウムの可能性

オーランチキチキは、深さ1メートルのプールで培養すれば、
面積1ヘクタールにつき年間1万トンの油の生産が可能です。

培養はたった3日。
つまり、3日で油を作ってしまうわけです。

そして、日本の年間石油輸入量は2億トンですから、
2万ヘクタールあれば、日本の石油が賄えることになります。
(2万ヘクタールは、八王子市よりちょっと大きいくらいの面積)

ボトリオコッカスの場合は、日本の耕作放棄地くらいの面積が必要(埼玉県くらいの広さ)でしたが、より現実味が増してきましたね^^

ちなみに被災地の水田の面積は、岩手603ha、宮城8900ha、福島1万4433haで、合計2万3936haあります。

これが復興できるのであれば、農家の方達は今まで通り農作物を育ててほしいのですが、現実には、ヘドロや塩害で、10年経っても復興するのは難しいという田んぼが結構あるようです。
畑の場合はさらに多いんですね。

そのような所は、オーランチキチキを使って油を作る、という選択肢があっても良いのかもしれません。

オーランチキチキとボトリオコッカス

ちなみに理論上だと、オーランチキチキで日本の耕作放棄地を有効活用すれば、石油だけでなく、石炭、天然ガスの輸入もストップさせることができ、日本が産油国になる可能性もあるそうです。

そしてオーランチキチキは、今の技術力ではまだその有効性を十分に活かせていないほどポテンシャルを持っているようで、技術開発が進めば、さらにもうひと桁くらい伸ばせる可能性があると言われています。

オーランチオキトリウムの持つ多様性

ボトリオコッカスは、ボトリオコッセンというオイルを作りますが、
オーランチキチキは、スクアレン(スクワラン)というオイルを作ります。
これは、深海ザメの肝油の90%を占める油性成分で、
よくアンチエイジング系の化粧品に使われる成分です。

これをベースにすれば、ガソリンはもちろん、プラスチックやエチレンなど、
石油から作られる商品の原料を置き換えることもできます。

油をとりだすのにはコストはある程度かかりますが、
発電所に使う分には、乾燥させてペレット状にしてそのまま燃やすだけでOKですので、大したコストはかかりません。

さらに、原発と違って、エネルギー源を貯めて置くことができます。
原発で作られるエネルギーは貯めておくことができず、
使えなかったのものはそのまま捨てられるということになりますが、
藻は置いておけるので、作るほど貯めておけますね^^

オーランチオキトリウムによる循環型社会の構想

筑波大の研究室では、オーランチキチキの性質を利用して
生活排水中の有機物をオーランチオキトリウムに食べさせることで石油を作るという、汚水浄化と石油生産を同時にこなすシステム開発を目指しています。

このような流れです。

オーランチキチキ循環型社会構想

まず、私達が出す排水を処理する下水処理場の近くに
オーランチキチキのプラントを作ります。

そうすることでオーランチキチキは有機物を得ることができ、
油を生成します。

オーランチキチキが増えた後の排水は、有機物はほとんどなくなっていますが、
窒素やリンなどの無機物はたくさん含まれているので、
今度は光合成をするボトリオコッカスのような藻類のエサにします。

そうすると、ボトリオコッカスから油がとれて、
さらにそこから余剰有機物が作られて出てきますので、
それを再びオーランチキチキの餌にします。

また、生成された油を火力発電所で使った後、CO2が出てきますので、
これもボトリオコッカスの餌にします。

夢のような循環システムですね^^

オーランチオキトリウムの課題

オーランチキチキが実用化されるのは、そんな遠い未来ではないでしょう。
なぜなら、技術的には既に可能だからです。

藻エネルギーの研究が進んでいるアメリカでは
既に飛行機を飛ばす実験も行っているそうです。

そんな、オーランチキチキにも課題はあります。

それは、まず一つは餌となる有機物が足りないということ。
安定的に大量生産できるか?ということが課題ですが、
そのために筑波大の研究室では、デンプンを作る藻類も培養しているそうです。

うまくいけば餌はそちらからも貰えますし、前回紹介した芋エネルギーを併用すれば、その課題をクリアできる可能性はかなり高いのではないでしょうか?

そしてもう一つの課題は、エネルギーをどう安くするか、大規模化するのかということです。
このような循環システムを作るにはお金がかかりますので、
政府の後押しや、出資者を募ったりして資金を集める必要があるでしょうね。

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