都市が油田に!紙ゴミからバイオエタノールを作る技術
2012年4月23日
二条城で使われているライトアップの燈籠。
実はこの電力は、ゴミから作ったバイオエタノールで発電したものです。
前回、ごみ発電に関する記事を書きました。
前回の記事:ゴミ発電の可能性
ゴミの可能性はこれだけではありません。
今、京都市で紙ゴミからバイオエタノールを作る研究が進められているんですね^^
家庭から出る紙ゴミから、ガソリンの代替燃料となるバイオエタノールを生み出す、都市油田発掘プロジェクトを進めているのは、京都市の技術職員、山田一男さん。
2012年4月22日に放送されていた「夢の扉+」で紹介されていました。
また頼もしい技術が日本で生まれそうですね^^
バイオエタノールの原料
バイオエタノールは、今までトウモロコシやサトウキビといった穀物から作られるものでした。
糖質を発酵させて蒸留してエタノールを作るわけです。
アメリカやブラジルなど広い土地を持っている国では盛んに作られていますね^^
日本ではそんな国土はありませんから、同じように作ることはできません。
そこで出てきたのが、「紙ゴミ」です。
紙はそもそも木材から作られますが、そこには糖分が多く含まれているんですね。
紙ゴミは誰もが必ず出しているゴミですから、そこからバイオエタノールができたら、ゴミが油田になるわけですね^^
実証実験では、第一弾のバイオエタノールは完成していました!
後はさらに研究して、より質の良いものを作っていけるようにしようとしている段階なんだそうです。
どのくらいの燃料が見込める?
この事業は京都市が行っていますが、京都市の回収ゴミは年間50万トンなんだそです。
そのうち40万トンからバイオエタノールが生成できるとのこと。
バイオエタノールの量を計算すると、約2400万リットル。
これをガソリンとして使うと、普通自動車約50万台が満タンになる計算です(1台約50リットルで換算)。
天気や時間に左右されず、安定的に供給できますし、現実的にたくさんのエネルギーがとれますので、資源を安定して供給できます。
ゴミ発電でも紹介したように、燃やすだけでもエネルギーになるのですが、バイオエタノールにするのは償却される前の紙ゴミですから、燃やして発電するまでの間に更にエネルギーとしてとれるものになります。
ゴミ発電とブッキングするものではないわけですね^^
紙ゴミはリサイクルに回せるものではありません。
燃やすしかなかったものが燃料として蘇る。
素晴らしいですね^^
なぜ今まで紙ゴミからバイオエタノールが作れなかったのか?
紙ゴミからバイオエタノールが作れるなら、トウモロコシやサトウキビなどを使わず、最初からそれをやればよかったのでは?と思うかもしれません。
でも、紙ゴミからエタノールを取るのは難しいことだったんですね。
エタノールを取るには、酵母菌を利用して糖を分解、発酵させる必要があります。
しかし、ゴミとして運ばれてくるものには細菌がいっぱいいたり、酵母菌が生きにくい条件が重なっていたため、作ることができなかったんです。
そこで熊本大学の協力のもと作られたのがゴミの中の細菌に負けないスペシャル酵母菌でした。
この酵母菌は何度も再利用できるので、コスト面でもかなりやりやすくなるそうです。
技術は高くても導入コスト面で難しい、ということはよくある話ですから、そのハードルを下げるのは嬉しいですね。
今、都市油田発掘プロジェクトは実証実験段階で、第一弾の実験ではきちんとバイオエタノールが生成出来ていました。
後は第一弾の実験で作られたエタノールを分析して、さらに技術を高めていくんだそうです。
実用化の日も近いかもしれませんね^^
この技術は、京都市と日立造船の強力で行っているそうです。
日立造船は、ゴミ発電でもリードしている企業でしたね^^
なかなか面白い企業かもしれません。
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