ゼロエネルギービル構想で推奨されている光ダクトシステムとは?
2010年12月19日
経済産業省が今、ZEB(ゼロエネルギービル)構想を掲げています。
ZEBは、エネルギー利用を工夫して、
石炭や石油といった1次エネルギーを使用しない、
もしくはほぼ使用しない建築物のことです。
ビルに再生可能エネルギーや省エネルギーの技術を組み合わせて、
建物内でのエネルギー利用を極力抑えようというわけです。
そして、そういったエネルギーの一つに、自然採光(光ダクトシステム)が推奨されているんですね。
2010年12月19日放送の「夢の扉」では、
その第一人者である、「株式会社マテリアルハウス」の 新井秀雄 さんが紹介されていました。
光ダクトシステムとは?
光ダクトシステムというのは、太陽光を筒の中に取り入れ、
反射させながら室内に取り入れる技術です。
こんな感じです。
筒は、光がうまく反射するように特殊な筒を使っているので、
部屋の奥まで太陽光が届く仕組みになっているんです。
例え数階建ての建物だったとしても、1階まで届くようですよ!
まさに自然の力100%の照明ですね^^
これによって、日中の照明はエネルギーゼロになります♪
新井さんはこれで、北米照明学会の「国際照明デザイン賞」を受賞されているそうですよ!
そして既にJAXA(宇宙航空研究開発機構)のビルにも取り入れられている技術で、JAXAでは年間で25%の省エネに繋がっているそうです。
上の図のような、水平に筒を走らせる「水平型」をはじめ、
煙突のようになっている「垂直型や、水平と垂直を合わせた「L字型」、
さらに複雑な「クランク型」という風に、建物形状に合わせて作れるそうです。
ここで一般の方が思う疑問に
- 太陽の角度によって明るさが変わらないか?
- 紫外線の影響は?
- 曇りや雨の日はどうなるのか?
といったものがあると思います。
しかし、これらもクリアしてるんですね^^
まず、光の角度ですが、新井さんは独自で、
太陽の位置で変化する光の角度を計算する、
光ダクトシュミレーターを開発しています。
これによって、日中を通して最適なダクトサイズと設定位置がわかるそうです。
次に女性が気にする紫外線ですが、
筒に使用しているアルミ板が紫外線を99%吸収してくれるので、
紫外線や日焼けの心配ないそうです!
そして次に曇りや雨の日ですが、
こちらはさすがにエネルギーゼロにはなりません。
でも、ある程度の光を取り入れながら、
足りない分の光はセンサーによって蛍光灯が点くようになっています。
太陽光発電や風力発電などと連携すれば、
それらを補うこともできますね^^
新井さんは今、コンビニ向けの光ダクトシステムの開発をしています。
ターゲットは平屋になっているコンビニで、
全国のコンビニのおよそ3分の1を占めているそうです。
その全てに光ダクトシステムを採用したとすると、
なんと一般家庭の約40万件分の照明電力を削減できるそうですよ!
早くスタンダードになってほしい技術の一つですね^^
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