スイゼンジノリの成分で、レアメタルをリサイクル
2011年1月24日
2011年1月23日放送の「夢の扉」で、水前寺海苔(スイゼンジノリ)を研究している
北陸先端科学技術大学院大学の岡島麻衣子さんが紹介されていました。
水前寺海苔は、熊本が発祥の海苔で、世界でも熊本と福岡の
清流にしか生息しないという、日本固有の藻類です。
江戸時代には将軍に献上したほどの高級海苔なのですが、
その中に「サクラン」というものすごい可能性を秘めた分子が含まれているんですね。
そして、サクランの発見者はなんと岡島さん(2006年に発見)。
名付け親も岡島さんなんです。
この、サクランが色々な可能性を秘めていることから、
世界の企業が注目しているんですね。
その性質について、岡島さんが行っている3つの研究が紹介されていました。
おむつにも使える驚異の吸水力・保水性
サクランは、1gで6リットルも吸水して保持するという、
ものすごい保水性を持っています。
吸水すると、体積が6000倍も膨れ上がるんですね!
おむつにも使われている、「ポリマー」という人工吸収材がありますが、
ポリマー1gの保水量は400ミリリットル。
つまり、サクランはポリマーの15倍の保水力を持っているんです。
しかもポリマーは、たとえ水を吸ったとしても、
外部から刺激を与えると水を離してしまうという問題があります。
おむつでいうと、赤ちゃんがお尻をついた時に、おむつの外に一部漏れてしまうんですね。
でもサクランは、吸水した水を離さないんです。
さらにサクランは天然由来なので、肌への負担が少ないということが期待されています。
ポリマーに変わる素材になりそうですね^^
レアメタルのリサイクルも可能な、金属の吸着性
サクランにはさらに、水の中に溶け込んでいる金属を吸着するという性質があります。
サクランはイオン分子の関係から、
一度金属を吸着すると、その後は水を吸収しないんだそうです。
これをうまく利用すれば、今世界中で大問題になっている、
レアメタルをリサイクルすることができるんですね!
放送ではでは、太陽光パネルの廃液から、
インジウムというレアメタルを回収する研究がおこなわれていました。
太陽光発電の透明電極には、インジウムが使われているのですが、
その廃液にはインジウムだけでなく、スズも混合しているんですね。
インジウムだけの回収というのは難しいのですが、
そのような問題も解決されていました。
今後は早くたくさん回収できるように研究するようです。
保水性を利用した砂漠の緑化
現在、岡島さんが東海大農学部と共同で研究しているのは、
サクランの保水性を利用した砂漠の緑化なんだとか。
サクランの保水力があれば、それも出来そうですよね^^
スイゼンジノリは日本にしかないものですし、
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も、
レアメタル回収の研究に助成事業として採択しているので、
ぜひ日本の誇るバイオ資源に成長するのを期待したいですね^^
コメントする