小さな流れでも電気を起こす、ゼンマイ式水力発電

2011年11月 7日

2011年11月6日放送の「夢の扉+」で、「ゼンマイ式水力発電」というものが取り上げられていました。
開発しているのは、富山にある 東洋ゼンマイ株式会社 の社長、長谷川光一 さん。
まだ実験段階のようですが、非常に可能性を感じられます。

ゼンマイというのは、多くは商品の中に組み込まれていて
直接的に目にすることがないので、それが動力として役割を果たしていることは、
あまり意識しないかもしれません。

ゼンマイは、写真のように弾力性のある鋼鉄を渦巻状にしたもので、
それを伸ばして、元に戻る力を利用して動力を得るようにしたものです。

昔は家電でもその動力にゼンマイ仕掛けのものがよく使われていましたが、
最近は多くのものが動力を電気エネルギーを利用したコンピューター制御になっています。
それでもゼンマイはまだまだ身近にたくさんあります。

身近なものでは、掃除機のコード、電車の連結部分のドア、シートベルト、チョロQ、
オルゴール、メジャー、家電用タイマーといったところに使われています。

一番最初にゼンマイが使われたのは、江戸時代のカラクリ人形。
ひもを引っ張れば、そのひもが戻る間、一定の動きをするわけです。

今でも子供のおもちゃに、それに似たようなものがたくさんありますね^^
挙げれば他にもたくさんありますが、意外とあります。

東洋ゼンマイではさらに、ゼンマイ式音声ガイドというものを作って、
地域貢献に役立てていました^^

そんな風に、ローテクながらも昔からずっと使われ続けているゼンマイですが、
うまく利用すれば、小さな流れでも電気が起こせる水力発電にもなるんです!

高低差がなくても発電できる水力発電

通常、水力発電は高低差を利用して発電します。
水が落ちてくるエネルギーでタービンを回して電力を発生するわけですね。
なので、高低差ができるようにダムのような設備を利用するわけです。

でもゼンマイ式なら、そんな大がかりの高低差でなくても発電できます。

なので、下の写真のような、田んぼの用水路程度の小さな流れでも電力を発生することができるわけです。

発電量にもよると思いますが、これくらいの川でも、
少しずつでもエネルギーを貯めれば、電力は発生できるんですね^^
発電装置をこのように川に浮かべて、水の流れる力でゼンマイを巻き、電力を発生させます。

巻き直しの弱点をどう克服するか?

ゼンマイは、巻くだけで二酸化炭素もゴミも出さないクリーンエネルギーを生みますが、
動力を発生させ終えるたびに、巻きなおしが必要です。

その都度止まってしまい、動力を解放した後でその都度巻かなければならないというのはゼンマイの弱点ですね^^;
その弱点が、マイコン制御に取って代わられた要因でしょう。

でも、だからと言って、ゼンマイが使えない訳ではありません。
東洋ゼンマイでは、その弱点を克服していました。

それは、織田信長の3段構えの鉄砲隊のように、
時間差をつけることで連続性を実現させる方法です。

2つのゼンマイを時間差をつけて、"貯める"と"解放する"を繰り返せば、
連続して発電することができます。

それを実現するのがカムシャフト。
写真のような部品です。

円柱の形をしたカムシャフトには溝が引かれているのですが、
切り替え装置をその溝に添わせることで、ゼンマイを左右交互に切り替えます。

つまり、左側のゼンマイが巻いている時は右側が解放、
右側が巻いている時は左側が解放、というように動作させることができます。

うまい仕組みですね^^

こんな風にすれば、デジタル信号を使わずともアナログで自動切り替えができますので、
それで電力が連続的に発生させられるんですね^^


今回の放送では実験段階だったのですが、手に持った電気をつけたり、
画像を転送させたりすることは出来ていました。

あとは得られる電力が、ある程度使えるほどに大きくなれば、
風力発電や太陽光発電より安定した電力が得られるものになるかもしれませんね^^

クリーンエネルギーの一つとして期待したいですね^^

東洋ゼンマイ株式会社のサイトはこちら

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コメント(3)

これを動力にして車に積んだら
やはり注目される車


海流発電できそうだな


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