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日本が資源大国になる!日本が誇るメタンハイドレートの掘削技術

2013年5月27日

メタンハイドレート
現在エネルギー自給率4%(原子力を除く)の日本が、エネルギー大国になる可能性があります。

それが今実用化に向けての技術を開発中のメタンハイドレート

別名「燃える氷」とも言われている、海底奥深くに眠る資源です。

それが日本近海だけで、日本で1年間に使う天然ガス100年分は眠っていると言われているんですね。

メタンハイドレートの存在は世界中で確認されていますが、世界で初めて取り出したのは日本です。

2013年5月26日の「夢の扉+」で、JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)が行っている愛知・三重県沖の開発現場が紹介されていました。

メタンハイドレートは何でできている?

メタンハイドレート

メタンハイドレートは、右の写真からわかるように氷になっていますが、火をつければ燃えるわけです。

なぜ燃えるのか?

それは、氷の中にメタンガスが含まれているからです。

取り出せれば、天然ガスとして使えるわけですね。

メタンハイドレート

メタンハイドレートは、海底からさらに深く掘削した所に、氷の状態で層になって存在します。

その正体は、太古の昔、海底に生物の死骸が堆積したもの。
そこからやがてメタンガスが発生するわけです。

しかし深海は低温なうえ、海水による高い圧力が加わるので、メタンガスは凍ってしまいます。

このようにしてできたのが、メタンハイドレートの層になっているわけです。

メタンハイドレートはこのようなことから、低温、高圧のところ存在することがわかっています。
そして20世紀後半になってから、主に深海や永久凍土にあることが世界中で確認されています。

メタンハイドレートは、深海ならどこでも一律あるわけではありません。
地層や海流の流れが違えば、温度、水圧の掛かり方も違ってきますし、堆積物のたまりやすい場所とたまりにくい場所もあります。

そのようにして、メタンハイドレートがまとまって大量に存在する地層濃集帯が存在するわけです。

濃集帯を見つけ出す技術は既に確立されていて、日本近海にはそのような濃集帯がまとまって存在していることがわかっています。
そして、そのメタンハイドレート埋蔵量は世界有数の量であるとされているんです。

メタンハイドレートによる環境への負荷は?

メタンハイドレートを産出する前に考えなければいけないのは、産出後の環境に変化があるかどうか。
実はこの調査は、10年程前から行われています。

濃集帯付近にセンサーを降ろして調査したところ、環境的な影響は少ないことがわかったそうです。
産出の際、万が一海底でメタンガスが漏れたとしても、深海の冷たい水と水圧で氷になると予測されています。

メタンハイドレートを産出する技術、減圧法

メタンハイドレート

メタンハイドレートは、低温・高圧の環境下で固まって存在していて、石油や天然ガスのように掘れば吹き出てくることはありません。
しかも、メタンガスだけが固まっているわけではないんです。

右の図のように、砂が混じって凍ってるんです。

このような状態から、どうやってメタンガスだけを取り出すか?
現在JAMSTECでは、メタンハイドレートを海底から産出する方法として「減圧法」というやり方を採用しています。
これは、地層の圧力を下げることで水とガスに分解するというものです。

JAMSTECが開発している場所は、愛知三重沖およそ50kmのところで、その場所の水深は約1,000m。
さらにそこから地層を300m掘り下げたところにメタンハイドレートの層が眠っています。

「減圧法」ではまず、下左図のように海上からそのようなとてつもなく深い海底のメタンハイドレート層までパイプを伸ばします。
そして下右図のように、中の水を汲み上げます。

減圧法 減圧法

そうすると、周囲の圧力が下がって、メタンハイドレートが個体から気体に変化、地上でメタンガスを回収することができるようになっています。


このように、現在は海上からの掘削に成功している段階です。
以前まで、太平洋側は埋蔵量は多いけど、水深がありすぎるために難しいとされていて、比較的浅いところで産出できる日本海側にスポットが当たっていました。
でも、太平洋側でも産出する試験が成功したということで、さらに国産エネルギーの可能性が見えてきたわけですね。

あとはどうやって商業化するか?
5年後には商業化のための技術を確立を目指しているのだそうです。

このメタンハイドレート掘削の実験は成功していますが、算出に多額の費用がかかっていますので、今後は低コストで回収する技術の確立がカギでしょうね^^

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