太陽光発電は早めに設置しないと損をする
2012年10月16日
2012年7月から、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まりました。
この制度で、太陽光や風力で発電された電力を電力会社が買い取ることが義務付けられます。
太陽光パネルを設置した場合、2012年10月現在で
1キロワット時当たり42円
という値段で電力会社が買ってくれます。
この値段は妥当なのかどうか、一見良くわかりませんよね^^;
結論から言うと、
この値段設定は高めで、パネル設置者に有利なんです。
そして設置するなら今がお買い得と言えそうなんです。
逆に、設置しなかったらどうなるか?というと、電気代が年々高くなって損をすると考えられます。
(理由は後で説明します)
色々と価格が変動するので一概には言えませんが、計算するとおおむね設置すると約10年で設置費用の元をとり、その後パネルが使えなくなるまではそのまま利益、ということが言えそうなんです。
もちろんこれはあくまで予測で、未来はどう変わるかわからないので"絶対"とは言いませんが、
環境にも貢献できて利益にもなるなら設置したいですよね^^
太陽光パネルは簡単に買えるものではないので、きちんと自分の状況に合わせて計算したいところです。
計算するには、太陽光パネルの値段、補助金、買取金額の変動など、色々な要素を検討しなければいけません。
計算するのが苦手な方は、無料でできる見積もり依頼を出してみた方が早いかもしれませんね^^;
見積もりサービスを提供しているところは、以下のようなところがあります。
2012年10月15日放送の「未来世紀ジパング」で、設置すると得か損か、具体的に計算していたのですが、その考え方を紹介すると共に、固定価格買取制度が始まって太陽光発電まわりの動きはどうなっているのか、紹介します。
太陽光パネルを増やさなければいけない日本の現状
東日本大震災が起きる前の日本の電力の割合は、
原発や天然ガス、化石燃料等への依存度が圧倒的に高く、
再生可能エネルギーは?というと、2010年で
全体の1.2%しかありませんでした。
グラフで見てもわかるように、ほんの少ししかありません。
1.2%の内訳はこうなっています。
- 風力:0.4%
- 地熱:0.3%
- バイオマス:0.3%
- 太陽光:0.2%
太陽光発電は再生可能エネルギーの中では占める割合が多そうな気がしますが、一番少なかったんですね^^;
原発の占める割合は30.8%で、今後は地球温暖化対策の為にも、その割合を半分以上に増やしていこうというのが2010年当時の政府の方針でした。
しかし、東日本大震災が起こってから反原発の動きが強まり、民主党政権は
「2030年代までに原子力をゼロ」という方針を打ち出します。
ということは、2010年で30%も占めていた原発からの電力を、他のエネルギーに変えていかなければいけません。
現在は主に化石燃料を多めに購入するなどで対処していますが、それでは外国への依存度が高まってしまいますし、値段も不安定、現在は高騰していますので、今後は水力や再生可能エネルギーにシフトしていこうとしているんです。
そのためには、風力や太陽光など、再生可能エネルギーを生み出す発電装置を設置することを促す必要があります。
そこで始めたのが、固定価格買取制度です。
設置を促すなら、設置する人がトクをするような仕組みがないと誰も設置しません。
そこで固定価格買取制度で行ったのが、"1キロワット時当たり42円"という値段で買い取るということ、そしてそれを20年間値段固定で買取続けるということです。
トクをするとわかれば、太陽光の設置は公共でやらなくとも企業や民間で広がります。
固定価格買取制度は、業務用と家庭用の2種類ある
7月に始まった買取制度。
太陽光や風力で発電された電力を電力会社が買い取るのを義務付けるのですが、業務用と家庭用で違いがあります。
業務用
業務用の場合、買取対象は発電量全量となります。
買取価格・期間は年度ごとに見直しが行われ、売電を始めた年度の内容で固定されます。
平成24年度の太陽光発電の場合、1キロワット時あたり42円固定で20年間となっていますが、平成24年度内に売電を始めれば、1キロワット時あたり42円で20年間売電することができるというわけです。
例えば、平成25年度に買取価格や期間が見直され、買取価格が40円に下がり、期間は15年間と短くなったとすると、新たに設置する人はその値段で売電を始めることになりますが、平成24年度に既に売電を開始している人は、42円、20年間という内容で変わりません。
家庭用
10キロワット時未満の発電の場合、家庭用とされますが、家庭用の場合、買取対象は余剰電力となります。
発電した電力は、まずは最初に住宅で消費、それでも余った電力を買い取ってもらうわけです。
業務用同様、買取価格・期間は毎年見直され、一度売電を始めるとその時の買取価格・期間で固定され、売電することができます。
平成24年度内に売電を始めた場合、1キロワット時あたり42円、10年間売電することができるようになっています。
ちなみに、太陽光発電とエネファームなどの燃料電池を組み合わせる"ダブル発電"の場合、価格・期間は別に設定されています。
平成24年度の場合、買取価格は34円、期間は10年間となっています。
参考:買取制度 買取価格・期間等 | なっとく!再生可能エネルギー
家庭の太陽光パネル設置のコスト計算方法
太陽光パネルを設置した時のコスト計算は、住んでいる地域や、いつ導入するかで価格が変わるので、何を検討するべきかを把握しておく必要があります。
まずは太陽光パネルの値段ですが、家庭用では4kWタイプのパネルが主流です。
2012年10月現在、だいぶ値段が下がってきました。
1kW当たり40万円で売っている業者もありますが、高めに見積もって1kW50万円ほどで計算すると、4kWタイプで200万円です。
今、中国製のパネルが安いですが、ある実験データによると、中国製のソーラーパネルは経年劣化が激しく、10年後には出力が50%くらいに低下するのではないかと懸念されているようです。
なので、安さだけで決めるのは危険です。
質もきちんと検討した方が、初期費用は高くても結果的に安くあがりそうですね^^;
参考:経年劣化激しい中国製ソーラーパネル 10年後に出力50%にも
というわけで、設置には4kWタイプで200万円かかるとして、次は行政から貰える補助金です。
補助金は
- 国
- 都道府県
- 市町村
の3ヵ所で貰えます。
住んでいる地域によって補助金額が違うのでそれぞれ計算する必要があります。
「未来世紀ジパング」で、ちょうど杉並区の場合の計算をしていたので、その例をそのまま出すと、
補助金は国から14万円、東京都から40万円、杉並区から12万円貰えます。
合計66万円ですね。
東京都はお金持ちです^^
この額をパネル代から引くと、
200万円(パネル代) - 66万円(補助金) = 134万円
となります。
この値段で設置することができるわけです。
なお、補助金の額は変更されることがあります。
補助金検索は、こちらを使うと便利です。
⇒補助金検索 | なっとく!再生可能エネルギー
次に、4kWのパネルが生み出す電力ですが、1年間で約4,000kWと言われています。
標準的な家庭で日中使われる電力は、1年間で約2,500kW。
その分は消費されますが、電力会社に支払う電気料金は節約できます。
電気代は、住んでいる地方や契約の種類によって違いますが、平均的に考えて1kW時25円とすると、
2,500kW/年 × 25円/kW=62,500円/年
となって、年間で62,500円の電気代節約になります。
さらに、余った1,500kW/年は売電しますが、平成24年度内に売電を始めると、1kW時あたり42円なので、
1,500kW/年 × 42円/1kW = 63,000円/年
となり、年間63,000円分売電できます。
二つ合わせて、年間12万5,500円、これが20年入ってくるということです^^
10年で125万5千円となるので、10年目の途中でトントン、11年目に入る頃には収入は利益になります。
このように計算すれば、設置した方がよさそうだということがなんとなくわかりますが、
太陽光パネルの値段、補助金の額、固定価格買取制度による買取価格・期間は変動します。
それを考慮して上の計算に当てはめる必要がありますね。
太陽光パネルの値段は、生産が進むほど下がってきます。
しかし、だからといって安くなるのを待っていると、その間に設置する人がどんどん増えます。
設置者が増えると、設置を促すための補助金は減ると考えられますね^^;
さらに、買取制度の条件も悪くなります。
売電する人が増えると、電力会社がその分たくさん買い取らないといけなくなります。
供給する人が増えると値段が下がるのが市場の原理なので、買取価格は下げられます。
時間と共に変動することがあると判断するのが難しくなりますが、売電を始めると価格・期間が固定されることを考えると、早い設置がよりおトクでしょう。
少なくとも、今は10年以上発電し続ければ利益がでるように設定されていますからね。
補助金の額は地方に行くと少ないかもしれませんが、それでもプラスになると思います^^
買い取る金額は誰が負担する?
固定価格買取制度を電力会社の視点から見ると、パネルを設置する人が増えれば増えるほど、買い取る量が増えてきます。
当然ながら買い取る総額も増えますよね^^;
値段も年数も固定して、必ず買い取らないといけないのです。
買取は電力会社が負担するのでしょうか?
それは違います。
国民全員が負担するんです。
電力会社の負担が増えるわけではないんですね^^;
8月からもう負担は始まっているんです。
もう既に支払い始めてるんです^^;
自分がどれくらい負担しているのかは、毎月電力会社から送られてくる
「電気御使用料のお知らせ」を見るとわかります。
お知らせには、再エネ発電賦課金等という項目があって、その値段が負担金です。
自分が使用した電気の量によって、負担金が増えていく仕組みになっています。
今は大した金額じゃない人が多いのではないでしょうか?^^;
しかし、パネルを設置するほど電力会社が買い取る総額が増えてくるので、その分再エネ賦課金を増やさなければいけません。
つまり、太陽光パネルやその他の再生エネルギーが普及するほど、長い目で見て電気代が高くなってくるのです。
自分がパネルを設置していなくても、普及のために負担しなければいけないので、
一番困るのは、パネルを設置していないけど、たくさん電力を使っている人ですね^^;
固定価格買取制度はドイツをお手本としていますが、ドイツでは既に、パネルを設置しなかったために10年の間に電気代が倍近くになっている人もいます。
そしてドイツでの買取制度は、初めは1kWh53円から始まって、現在は18円まで落ちています。
これを考えると、日本もどんどん買取価格が落ちていくことが考えられます。
なので、固定価格買取制度では"設置したもの勝ち"な仕組みになっているというわけですね。
今、メガソーラーという大規模な太陽光発電事業を立ち上げる業者が増えていて、計画も併せて日本国内で190以上もあるそうです。
それらが売電を開始すると、買取制度の仕組み上、ますます電気代が高くなっていくことが考えられます。
パネルを設置するのはこれから上がり続けるであろう電気料金の負担から身を守ることにつながりますが、
とは言っても、パネルを設置するのは高額な費用がかかるので、設置したくてもできない人も多いでしょう。
そのような方は、DMM.comが提供している8万円ソーラーというサービスもありますので検討しても良いかもしれません。
⇒DMMソーラー
総発電量の8割はDMMに支払う必要がありますが、2割分は自分に入ってきますし、実質8万円の負担でパネルを設置できるというものです。
11年目からは100%電力は自分のものとなるようです。
なかなか面白いサービスですね^^
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