使い終わった蛍光灯はリサイクルへ持っていこう
2012年12月11日
蛍光灯を捨てる時、どうしていますか?
ゴミの日に出す場合、その対応は自治体によって違います。
僕の地域では、
「電球・蛍光灯は、紙に包むか、新品の入っていた箱に入れて出してください。」
となっていました。
そして「不燃ごみ」として出すことになっています。
一部の自治体では資源回収しているところもありますが、多くの自治体では不燃ごみ扱いのようです。
日本の蛍光灯のリサイクル率は20%以下なんだそうで、回収された後は埋め立て処理されます。
しかし、これが環境的に問題なんですね^^;
できるなら、適切にリサイクルをしてもらえるようなところに回収してもらいたいところ。
問題は二つあります。
1.蛍光灯の水銀が環境破壊を招く
蛍光灯には水銀が含まれています。
水銀がなければ蛍光体が発光しないので、必要不可欠なんですね。
その量は、40W直管蛍光灯1本で約10mg。
環境省が設定している土壌環境基準では、1リットルにつき0.0005mg以下とされています。
つまり、蛍光灯1本でかなりの環境破壊なんです><
参考:土壌環境基準 | 環境省
しかも、回収・運搬の過程で蛍光管が割れてしまうと、水銀が流出してしまいます。
空気中に蒸発しますので、処分場が汚染されるだけでは済みません。
これはもう、LEDが普及しはじめてからからずっと問題視されていますが、なかなか問題解決が進みません。
水銀の除去が難しいんです。
なので、危険物であるにもかかわらず、不燃ごみとしての廃棄は減りそうにありません。
2.蛍光灯にはレアアースが使われている
2010年、尖閣諸島の問題があり、中国が日本に対してレアアースを規制しました。
日本はレアアースについては中国に頼り切っていたので、当時は価格が高騰しました。
レアアースの市場では、中国が世界シェアの9割を握っているので、電子産業大国の日本としては大変ですよね^^;
しかし、現在は値段が下がってきています。
その理由は3つ。
- レアアースを使わない新技術の開発
- レアアースの代替供給減の確保
- 省資源・リサイクル
です。
日本が中国に依存しない努力をした結果なのですが、その中に蛍光灯のリサイクルが関係しています。
蛍光灯でも実は、光の発色をよくするイットリウムやセリウムなどのレアアースが使われています。
日本はレアアースの世界トップクラスの消費国で、都市鉱山のポテンシャルが大きいと言われますが、効率よく回収できるような集め方をしないと、そのポテンシャルは活かせないでしょう。
蛍光灯に限らず、使い終わった電池や携帯電話なども、1ヶ所に集積できるような仕組みが必要でしょうね。
蛍光灯はどこに捨てたら良い?
使い終わった蛍光管がどのように処理されるのか、又はリサイクルされるのかどうかは、自治体によります。
例えば北九州市では、行政が「ジェイ・リライツ(株)」というリサイクル会社に処理を依頼していて、消費者は電気店やホームセンターの回収ボックスに入れるだけでOKです。
北九州市のサイトにもきちんと書かれていますね^^
参考:蛍光管 - 北九州市
水銀やレアアースのリサイクルの技術を持つこのような会社は少ないですが、以下の会社がリサイクルできるようです。
- 野村興産(株)
- サンキョウリサイクル(株)
- (株)ウム・ヴェルト・ジャパン
- JFE環境(株)
- (株)サワヤ
- エヌアイエ(株)
- (株)ジェイ・エム・アール
- (株)神鋼環境ソリューション
- ジェイ・リライツ(株)
(JELMA 日本電球工業会より)
元々、水銀入りの蛍光管が処理できるのは野村興産だけだったようです。
これは、2008年6月16日時点のものなので、今はもっと増えていると思います。
こういう会社に依頼している自治体なら、自治体の指定通りに出せばよいので安心です。
他の自治体もこんな風に説明されていれば良いのですが、処理ルート、処理方式などを説明していない自治体が多いんですよね^^;
その場合はどうしたら良いか?
以下の方法で確認してみると良いでしょう。
自分の住んでいる市町村の役所に聞く
市の広報や公式サイトで蛍光管は「不燃ごみ」として出すように指定しているところが多いと思います。
その場合はほぼ埋め立て処理だと思われます。
しかし、書いていないだけで、実際はそうでない可能性もありますから、役所のごみ処理部門に、リサイクルされるのかどうか聞いた方が確実です。
自治体がリサイクルに対応しているのが一番安心ですね^^
家電量販店、ホームセンターで回収しているか調べる
一部の家電量販店やホームセンター、電気屋さんなどでは「蛍光管回収協力店」として店頭で回収している場合があります。
回収方法はさまざまで、先の例のように回収ボックスを設けて無料で回収している場合もあれば、新しい蛍光灯を購入した時に古いものを回収する場合もありますし、有料で回収している場合もあります。
近くにある電気屋さんやホームセンターに寄った際に、回収しているかどうか調べてみると良いでしょう。
製造メーカーに問い合わせる
法人が主な対象ですが、製造メーカーでも回収に取り組んでいるところもあります。
例えば、アイリスオーヤマは2012年4月1日に、DHLサプライチェーン株式会社と業務提携し、蛍光灯の回収・リサイクルを一貫して行う事業スキームを共同開発したそうです。
参考:アイリスオーヤマ株式会社 | 蛍光灯リサイクル事業スキーム業務提携
アイリスオーヤマが販売・導入・サービスを行なって、使い終わったものをDHLが蛍光管回収を行います。
その後、中間処理場へ運ばれ、最終処理場では野村興産の協力を得て、リサイクル原料に加工するそうです。
また、パナソニックでもあかり安心サービスという法人向けのランプ貸与サービスを行っています。
このサービスを利用すると、使用済みの排出責任がなくなり、手続きの手間やコストが削減できます。
その他のメーカーも取り組みをしているかもしれないので、各メーカーの取組み状況についてお客様相談室に問い合わせてみると良いでしょう。
自治体が「不燃ごみ」として埋め立て処理をしているのなら、お店で回収してもらった方が環境に貢献できます。
しかし、回収しているお店が近くにないのなら、自治体の埋め立て処理しかありません。
リサイクル会社も増えてきたので、自治体は回収方法を決めてルートの整備をする必要があるのではないか?と思いますね^^
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