夜間熱中症を防ぐ方法

2011年7月23日


Sun! / Steve-h

熱中症に関して、多くの人が考えてもいないであろう
落とし穴があります。
熱中症は、

「昼間の暑い時間帯に、長く外に出ているとなりやすい」

というのは当たり前ですが、
熱中症で死亡してしまう人の傾向をみると、
それが大多数ではないようです。

東京都監察医務院が、昨年の7月中旬から8月中旬の1ヶ月間、
東京23区内で熱中症で運ばれてきて死亡した人の傾向を調査してみると、

  • 死亡場所:住居内が78.1%
  • 死亡時間帯:夕方5時~朝5時が約35%

となったそうです。
参考:平成22年夏期の熱中症死亡者の状況(東京都23区)|東京都監察医務院

時間帯に関しては死亡時間不詳の人が29%もいるので、さらに多い可能性があります。

そして、昨年は熱中症での死亡者が急激に増えていますが、
今年も梅雨明けから1ヶ月で100人を超え、過去最多になったそうです。

「住居内」、そして「夜間」という
熱中症とは関係のなさそうな感じなのですが、
最近はそんな夜間熱中症が多いようなんです。

なぜ夜中に熱中症になるのか?


マンション / psycho.mato

夜中に熱中症になるのは、コンクリートが関係しています。

コンクリート構造の建物は、昼間は太陽の日差しをいっぱい浴びて、
熱くなっています。
コンクリート自体は、

「最初暖まりにくくて徐々に暖まり、一度暖まると次は冷めにくい」

という性質をもっているんですね。

その性質があることで、熱が時間差をつけて
室内に向かうのです。

つまり、昼間浴びた熱は、外に逃げるのではなく、
ゆっくりゆっくりと室内に向かい、夜寝る頃に室内に現れるのです。

断熱材をしている場合でも、ないよりはましですが、
完全には防げませんのである程度の室内温度は上がります。

エアコンが効いている間はなんとか大丈夫ですが、
就寝時間になって、エアコンを切ると、熱の分だけそのまま温度が上がってしまいます。

結果的に、外よりも室内が暑くなってしまい、熱中症になってしまうわけですね。

対策方法としては、壁によしずを立てかけることです。

よしずは出入り口や窓になっているところだけでなく、
に立てかけるのも効果的です。

そうすることで、建物の外側で熱が入ってくるのをブロックできます。

特に寝室になっているところには立てかけておくと良いですね。

カーテンやブラインドも室内温度上昇の元


Window / d'n'c

カーテンやブラインドは、
直射日光を遮ることはできますが、
室内の温度は上げているんです。

このことは以前この記事にも書いています。

過去記事:暑い夏を乗り切る 江戸時代の知恵

理由は、直射日光でカーテンやブラインドそのものが
暖められてしまうからです。

そうすると、暖められたカーテンの熱が室内に逃げるので、
結果的に室内の温度は上昇することになります。

窓の対策方法はすだれです。

すだれは、部屋の中にあるカーテンやブラインドと違って、
窓の外に設置します。
なので、直射日光による熱を部屋の中に運ぶことはありません。

よしずとすだれを上手く活用すれば、夜はかなり涼しいですよ^^

熱中症になりやすい部屋

家の中でも、全ての部屋が同じように熱中症になりやすいわけではありません。
熱がこもりやすい部屋にいることが比較的熱中症になりやすいのです。
特に対策したい部屋は、以下のような部屋です。
(たけしの家庭の医学より)

寝室が西に面している部屋


西日 / amadeusrecord

西日が入ってくる部屋が暑いのは実感できると思います。
これは、昼間の一番暑い時間帯に熱せられたうえ、
さらに日が入ってくるからです。

西に面している部屋が寝室だと、
夜中に長時間その部屋にいることになりますので、
先に挙げた対策をすると良いでしょう。

屋根や屋上に一番近い部屋


ロフト / kamikura

例えばロフトに寝室がある場合など、
部屋の上が屋根や屋上の場合、その部屋は壁だけでなく、
上からも熱がきます。

特に寝室の場合は熱中症になりやすい、
と思ってよいでしょう。

さらに西日が入ってくるようだと、リスクが高いですね。
先に挙げた対策と、さらに屋上緑化までやると、
かなり涼しくなります。

屋上緑化は、コケ類でもできますし、
栽培するためのマットも売られています。

こういう本も売られていますので、活用すると良いですね。

グリーンカーテンは、よしずやすだれよりも更に涼しくする

室内での熱中症対策は、エアコンをつけることも可能ですが、
節電も考えないといけない時ですから、よしずやすだれはかなり効果的です。

しかし、それでもエアコンなしで過ごせるかどうかは、
部屋の環境とその人の暑さへの耐性によりますが、
もっと効果的な方法があります。

それが、グリーンカーテンです。

緑のカーテンや、ゴーヤーカーテンとも呼ばれていますが、
ゴーヤーなどのつる植物を、窓や壁にカーテンのように伸ばしていく方法です。

植物は常に呼吸をしていますので、葉の表面からは水蒸気が出ています。
これでさらに涼しさが増します。

ただ、伸びるのに1ヶ月くらいかかるのが欠点ですけどね^^;

また、つる植物だけでなく、コケ類で壁を覆う方法でもOKです。


ハイテクな対策ではありませんが、昔ながらの知恵は、
エアコンが普及した今でも、エアコンにはない効果を発揮します。

今こそ見直す時だと思います^^

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