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家族の防災意識を共有する災害対策カードゲーム「クロスロード」

2013年8月26日

災害への備えは、防災グッズを揃えるだけでは十分ではありません。
どのような行動をとるのか、その場その場で臨機応変に判断することも必要になります。

でも、どれだけ備えても、実際に災害にあってみると思いもしなかった状況に置かれることは考えられます。
特に困るのは、あちらを立てればこちらが立たずの状況。
災害時にはこういうことが頻繁に起こります。

例えば、

  1. 仕事場にいる時に地震に遭遇して交通機関もマヒ。
    それでも家族の安全確認の為に家に帰るか?それとも職場に残るか?
  2. 避難所に行く時、家族同然のペットも連れていくかどうか?
  3. 家族ギリギリの人数分しかない保存食。周りの人が食糧に困っていたら分け与えますか?

1は、家族の事が心配なのはわかりますが、交通機関がマヒしている上、建物の倒壊など道も崩れている可能性があるので、帰る時に危険を伴います。

2は、家族同然のペットであっても、避難所はたくさんの人が集まる場所ですし、動物が嫌いな人がいるかもしれません。
そもそも衛生状況が悪くなりますので、連れていくことで他人に迷惑はかけられません。

3は、せっかく用意した保存食も、他人にあげれば足りなくなるのは目に見えています。
あげてしまうと、今後食事がとれるのかどうか、保証はありません。

このような状況に置かれたら、どちらを選んでも何らかの犠牲が伴います。
「○○するのが当然」というレールが敷かれたベストな答えはない中でどうするか判断しないといけないわけです。

そういう状況になったらどうするかを考える「クロスロード」という防災対策カードゲームがあります。

このゲームは、1995年の阪神・淡路大震災を体験した神戸市職員の方々へのインタビューをもとに作成されたもので、実際に迫られた難しい判断状況をシュミレーションすることができます。

難しい状況で重要な判断力を養う

クロスロードは、そのような二者択一の選択をせまる状況が書かれたお題カードをシャッフルして順番にだします。
参加者はその問題に対し、YES/NOのカード、どちらかをふせたまま出します。
そして、一斉にオープンし、多数派になったら青座布団(1ポイント)、1人意見なら金座布団(特別ポイント)をゲットして、ポイントが多い人が勝ちとなります。

ゲームとしてはこれだけですが、大切なのはここから。

YES/NOカードをオープンにしたところで、皆でその理由を話し合います。
実はこのゲーム、「多数派が勝ち」としていることからわかるように、
一枚一枚の問題に対して答えがないんです。
解説用資料はついていますが、「正解」となる問題は原則としてないんです。

なので、まずは自分でどうするか考え、最善と思われる判断をすること。

災害時は十分な環境も時間もない中で、何らかの犠牲を払ったとしてもそれなりの結論を出さないといけない場合がでてきます。
その判断が、多くの人に受け入れられる結論なら、皆が協力的になって事がスムースに進むかもしれませんね^^

このゲームをすることで、判断の決定に必要な情報、判断するための前提条件などを考える力を養えます。

家族の価値観の違いを認識する

大人数でこのゲームをやって、意見を述べ合う中で、今まで知らなかった自分とは違う価値観に触れることがあるかもしれません。

色々な意見があることに気づくこと、自分の思いつきもしなかった考えに触れることは非常に大切です。
多様な考え方を持つことができれば、臨機応変に対応できますし、自分の考えに足すこともできますからね^^

特に家族の場合は災害時に行動を共にするので、どういう価値観の下でどんな行動をとろうと考えるのか、お互いのことをよく知っておくと良いチームワークが生まれます。

意見が違う場合、もしかしたら喧嘩になるかもしれません^^;
でも、その喧嘩を災害時にやってしまっては、生活も大変なのに心もズタズタになってしまいます><
そういう中で下す決断は、良い方向に向かうとは思えませんよね。

このゲームを通じてあらかじめ話し合っておけば、価値観の違いを乗り越えてどちらも納得するような発展させた考えが生まれるかもしれません。
そしてその考えをもとに行動に移せば、家族で行き違いが起こることも少なくなるでしょうね。


このゲーム、下の本の内容にもなっている「マイケル・サンデルの白熱教室」の災害版みたいなものですね^^

この本も「○○な状況で二者択一の判断をする」ことを考える本ですが、どういう価値観や主義を持っている人がYESと考えるのか、又はNOと考えるのか、色々な視点で多様な価値観について考えさせられる本です。
こちらも参考になりますね^^

また、クロスロードは現在、京都大学の生協のHPで販売されていて、京大生協組合員の人は購入できます。
クロスロード|京都大学生活協同組合公式WEBサイト
会員でない方は残念ながらここで購入できませんが、こちらのクロスロード情報サイトのニュースのところで紹介されている「クロスロードのつどい」に参加すると、クロスロードの体験ができるようです。
もしかしたらここで販売もしているかもしれません^^;

もう少し気軽に買えるようになると良いと思うのですが、関連書籍の方は普通に販売されています。

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