関西で巨大地震が発生した場合、津波被害はこれくらい想定されている

2012年3月12日

東日本大震災から1年が経ちます。
想定できなかった防災マニュアルは見直され、今後改善されていくと思いますし、関東の方では現状津波が来た場合どうなるのか、どういう危険があるのか、色々な角度から検証されています。

では、関西の方ではどうでしょうか?

実は、関西も東日本大震災のような地震の発生が危惧されている場所でもあります。
関西が一番危ない!と指摘する学者さんもいるんです!

その理由は、和歌山県沖およそ100kmの海域に、南海トラフという溝にあります。

南海トラフ 地震

南海トラフは、

  • 南海地震
  • 東南海地震
  • 東海地震

を起こす可能性が危惧されていて、この3つの地震が同時連鎖で起こる場合、
大規模な津波が関西を襲う可能性が考えられています。

3つが連鎖する地震はほぼ100年~150年おきに発生しており、近いもので1605年の慶長地震、1707年の宝永地震、1854年の安政地震が起きていますので、起こる可能性は十分考えられます。

周期を考えると、今起きてもおかしくない感じですよね。
そして30年以内の発生確率は、南海地震60%、東南海地震70%と言われています。
2003年の十勝沖地震は確率60%の時に発生したものですので、同レベルの確率のものを2つも持っているわけです。
一つが大きな地震を起こすと、東日本大震災のように、連鎖する可能性も高いそうです。

仮に関西で大地震が起き、最大規模の津波が襲った場合、どれくらいの被害が考えられるのでしょうか?

2012年3月8日の『関西人必見!!巨大地震・津波のホント?ウソ?」』という番組で、関西で最大級の地震が起きた場合はどうなるのか、ということが紹介されていました。

津波はどこまで来るのか?

M9クラスの地震が和歌山沖で発生した場合、和歌山県近辺だけでなく大阪湾にも押し寄せてきます。
大阪市内にくる津波は、満潮時を想定して最大で6.9mに達する恐れがあります。
少なくとも建物の3階以上に避難しなければなりません。
(3階でも浸水する可能性はあります)

大阪市内は、大阪城付近から天王寺区、阿倍野区と南に広がっていく高台、"上町台地"を残してほとんど水没することが予想されています。

関西で一番の繁華街である大阪駅近辺は完全に水没しますし、神戸、西宮、甲子園球場も水没します。
そして淀川を逆流して街へ水が流れるので、吹田、摂津、茨木、高槻、枚方、守口、門真、寝屋川、四條畷、大東、東大阪では浸水する恐れがあります。

関西津波被害想定地域

さすがに京都までは行きませんが、四条畷、枚方、高槻、八尾のあたりが水際になるほど比較的内陸で安心そうなところまで到達することが予想されるそうです。

津波は高さ50cmでも人は流されますし、2mの津波は家が全壊します。
東日本大震災では、今まで警報が出ていながらも大した津波が来なかったことや、3mの堤防があったことから油断していた方が多かったようです。

陸地を駆け上がる津波の速さは時速約36km(100mのオリンピック選手並み)に達し、東日本大震災では毎秒10m以上だったとも言われています。

被災者の方で、

波が見えてからでは遅い。たとえ1mの警報であったとしても油断してはいけない。」

と語る人もいます。

そして、大きな揺れの地震があった時は、大きな津波が来る可能性が高いということも心得ておいてもよさそうです。

大阪市内では津波からどう避難したら良い?

市内では高台に逃げる場所がありませんので、高いビルに逃げる必要があります。

津波から逃げるには、今いる場所よりも"より遠く"ではなく、"より高く"に逃げることが大切なんです。

街中から遠くに逃げるのは難しいですし、車で逃げるのも道路の崩れや渋滞を考えると無理です。
遠くに逃げている間に津波は来てしまうので、街中にいながら津波をやり過ごさなければいけないんです。

とは言っても、津波で建物ごと流される心配もありますよね。
その為にも普段からチェックしておきたいのがこのマークです。

津波避難ビル

これは、津波避難ビル指定マークと言って、津波からの避難場所になっているビルに貼られています。
これが貼られているビルは、強度のチェックも受けていますので安心です。

実際には向きが違ったり、矢印がついていたりしますが、こんな感じで貼られています。

津波避難ビル

ただし、2012年2月時点で指定ビルの数はまだまだ少ないです。
大阪市内に415ヶ所指定されていて、市内だけでなく、沿岸部の自治体でも使用していますが、マークがないビルが必ずしもダメなわけではありません。
まだ調査・交渉していないビルがたくさんあって、今増やしているそうです。

津波避難ビルの数

マークのあるビルが見当たらなければ、もう自分の直感で判断するしかありません!
高さがあって、丈夫そうなビルに避難した方が良さそうですね。

大阪市のサイトにはこんな情報も載せています。(わかりにくいですが^^;)

他の自治体も載せているかもしれませんので、近郊の方は自分の自治体のサイトをチェックしてみて下さい。

いつまで避難したらよいか?

南海地震で来る津波は、第二波の方が大きいと言われています。
東日本大震災でも、第一波よりも第二波、第三波の方が大きかったですよね。

そして、南海地震では50分ごとに第六波まで来ると言われていますので、3階以上に避難したら少なくとも6時間は動いてはいけません!

東日本大震災では、津波が引いた後に様子見や仲間探しで家に戻ったがために津波に巻き込まれてしまった方が大勢います。
波が引いたらそれくらい落ち着いたように思えてしまうそうですので、油断してはいけないんですね。


普段から地震に備えているのと備えていないのでは、いざという時の動き方が全然違います。
大地震が発生するとパニックになってしまいますので、そんな時に臨機応変に考えるのは困難、普段どれだけ備えてきたかがカギになってきます。

大阪市内及び関西の沿岸部にいる方はぜひ津波避難ビルのチェックをしておきましょう。

また、『関西人必見!!巨大地震・津波のホント?ウソ?」』の公式サイトで、「関西人のための地震防災マニュアル」がPDF形式で配布されています。

関西にお住まいの方はダウンロードして、見ておきましょう。

また、大阪府の場合、備蓄している食料は「1食分」だけです。
1食目は各自で、2食目は各市町村、3食目に大阪府の備蓄食料が配給されることになっています。
支援物資が届くまでは各自で調達ということになっていますので、備えはしっかりしておきましょう。

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